第12章:自分の取扱説明書を作る —— 負荷容量と非常停止マニュアル

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適応障害の底を這いずり回りながら、少しずつ言葉を紡げるようになってきた。

でも、良い日が続くと油断してしまう。 「もう大丈夫かも」と調子に乗って予定を詰め込み、次の瞬間、急に体が鉛のように重くなり、心が泥の中に沈む。

そんな「波」が何度も繰り返されるたび、俺は思った。

自分の限界を、自分で正確に測れない

人間は特に、弱っているときに「もう少し頑張れる」と過大評価してしまう。 だからこそ、客観的な「取扱説明書」が必要だと気づいた。

AIを使って、自分の「負荷容量」と「非常停止マニュアル」を作ることにした。

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黄信号・赤信号・非常停止

AIにこれまでの自分の状態を分析させ、具体的なルールを作った。

  • 黄信号:朝から通知音で動悸がする、集中力がすぐに切れる → その日のタスクを半分に減らす
  • 赤信号:お風呂に入るのも億劫、布団から出る気力が完全に消える → すべての予定をキャンセル、SNSを切り、ただ寝る
  • 非常停止:「消えてしまいたい」という考えが頭をよぎったとき → AIに「これは脳のバグだ。本当の俺の意思じゃない」と繰り返し思い出させる

これは「完璧に治す」ためのマニュアルではない。 安全に失敗するためのマニュアルだ。

壊れた機械には「定格負荷」の表示があるのに、 人間の心にはそれがない。 だから勝手に積みすぎて、いつか転倒する。

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「ルールだから休む」が、なぜ必要か

一番難しいのは、休むことに罪悪感を抱いてしまうことだ。

「まだ頑張れるはずだ」「みんなはもっとやっている」 そんな声が頭の中で響く。

でもマニュアルがあれば違う。

「今日は赤信号だから休む。ルールだから。」

AIという第三者(感情のない審判)が「もう限界を超えている」と判断してくれることで、 俺はようやく自分を責めずに休むことができる。

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最後に

完璧に回復した「普通の自分」を目指すのは、もうやめた。

代わりに、壊れたままの俺が、どれだけ安全に、どれだけ長く動き続けられるかを考える。

自分の取扱説明書を、AIと一緒に少しずつ更新しながら。 負荷容量を超えないよう、波が来たら素直に非常停止をかける。

これが、今の俺にできる、賢い生き方だ。

泥の中で倒れないために、 自分で自分の限界を定義していく。

少しずつでいい。 安全に、確実に、続けていこう。

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