心療内科で「適応障害です。今すぐ休んでください」と言われた日、私は泣いた。
悲しくて泣いたんじゃなかった。
「救われた」と思って泣いた。
心療内科の予約が取れなかった
妻に「一回病院に行ってきて」と言われた。
「大丈夫だ」と言い返した。でも妻は「大丈夫じゃない顔してる。最近全然笑ってない」と言った。
返す言葉がなかった。自分が笑っていないことに気づいていなかった。
心療内科を調べた。電話した。
「次の予約は2ヶ月後になります」
2ヶ月。その頃の俺には、2ヶ月先のことを考える余裕がなかった。今日をなんとかするだけで精一杯だった。
諦めかけた。
「やっぱり大丈夫か」と思い始めていた。でも症状は続いていた。朝起きると動悸がする。車の中で涙が出る。夜眠れない。食べられない。
そんなとき、オンライン診察というものがあると知った。
オンラインで昼休みに受診した
「かもみーる」というオンライン心療内科だった。
スマホとZOOMがあれば受診できる。予約が取れた。昼休みの時間に受診した。車の中でスマホを開いて、ZOOMに入った。
正直、「オンラインで大丈夫なのか」と思っていた。画面越しで何がわかるんだと思っていた。
でも医者は話を聞いてくれた。
現状を話した。パワハラのこと。動悸のこと。涙が止まらないこと。眠れないこと。何もできなくなっていること。
話しながら涙が出てきた。うまく説明できなかった。でも医者は遮らずに聞いてくれた。
しばらくして、医者が言った。
「涙が止まらないって、今の現状が異常です」
この言葉が心に響いた。
「異常です」と言ってもらえた。「お前が弱いんじゃない。置かれている状況が異常なんだ」と言ってもらえた気がした。
適応障害。今すぐ休んでください。初診でそう言ってもらえた。
診断書が届いた
初診当日に「診断書を出します」と言ってくれた。
命を救われた!初診で診断書を出してくれたオンライン診察の精神科
健康保険が使えた。診断書込みで1万円以下だった。PDFは数時間後にダウンロードできた。印鑑付きの診断書は郵送で1〜2週間で届いた。
普通、心療内科の初診では診断書を出してもらえないことが多いと聞く。それがオンラインで、初診で、昼休みに、出してもらえた。
本当に命を救われたと思っている。
父のことを考えるようになっていた
診断書が届いた頃、ある記憶がよく頭に浮かぶようになっていた。
中学を出てすぐの頃、父が自殺した。
詳しいことは書かない。ただ、父と今の自分の年齢が近くなっていた。子供がいる。妻がいる。それでも追い詰められていく人間の気持ちを、その頃初めて少しだけ理解できた気がした。
信号待ちで「このまま違う方向に走ったらどうなるんだろう」と考えた夜があった。はっきりした意志じゃなかった。でもそういう考えが頭をよぎっていた。
その考えが自分の中にあることが、怖かった。
「適応障害です」という診断をもらったことで、「俺が弱いんじゃなかった。追い詰められていたんだ」とわかった。
父が死んだとき俺は中学を出たばかりだった。
父がいなくなった後の日々がどういうものだったか、体で知っている。
自分の子供にその経験をさせてはいけない。
それだけははっきりわかった。
「救われた」と思った理由
心療内科で「精神的な病気は弱い人間がなるものだ」と思っていた俺が、適応障害と診断された。
診断をもらう前は「俺が未熟だから仕方ない」と思っていた。
「もっと頑張れば認めてもらえる」と思っていた。
でも「今の現状が異常です」という言葉で、初めて「環境が異常だったんだ」と思えた。
俺が弱かったんじゃない。壊れるまで動かされていただけだ。
それがわかっただけで、少し息ができた。
「救われた」と思って泣いた理由はそこだ。
今、同じ状況にいる人へ
心療内科の予約が取れなくて諦めている人がいるかもしれない。
オンライン診察という選択肢がある。スマホ1台で、昼休みに、車の中で受診できる。「かもみーる」は私が実際に使って命を救われたサービスだ。
しんどいなら逃げていい。病院に行っていい。
次の記事では「無職になってからの1年間」の話を書く。天井のシミを数えていた日々の記録だ。
もっと読みたい人へ
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そしてこのブログの裏側、ポッドキャストを作った記録はnoteに書いてる。
壊れたことは、終わりじゃなかった。 私がその証拠だ。

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