「最近、なんとなく手足が痺れる」 「言葉がパッと出てこない時がある」 「まあ、疲れのせいだろう」
もしあなたが、そんな小さな違和感を放置しているなら。 それは、あなたの体の中で「配管(血管)」が悲鳴を上げているサインかもしれません。
日本人の死因上位であり、「寝たきり」の原因第1位。 それが「脳血管疾患(のうけっかんしっかん)」です。
私は元・建設現場の監督ですが、建物の水道管が破裂したら大惨事になるのと同じで、人間の脳の血管も一度壊れたら、修復するのは困難です。 「俺はまだ若いから」「健康診断はD判定だけど元気だし」 そう言っていた仲間が、ある日突然倒れ、現場に戻ってこられなくなったのを何度も見てきました。

今回は、忙しく働くあなたが明日も笑って過ごすために、脳血管疾患の「種類」と、絶対に見落としてはいけない「症状」について、現場目線で解説します。
そもそも「脳血管疾患」とは?
一言で言えば、脳の血管にトラブルが起きて、脳細胞が壊死してしまう病気の総称です。 一般的には「脳卒中(のうそっちゅう)」とも呼ばれます。
脳は、全身に命令を出す司令塔です。 その司令塔に酸素や栄養を運ぶ「血管」が、詰まったり(インフラ停止)、破れたり(水漏れ・崩壊)するとどうなるか。 その先の脳細胞が死滅し、手足の麻痺、言語障害、最悪の場合は命を落とすことになります。
これは「運が悪かった」で済む話ではありません。 長年の不摂生やストレスによる「配管の劣化(動脈硬化)」が原因であることがほとんどです。
敵を知ろう!脳血管疾患の主な「種類」
脳血管疾患は、大きく分けて「詰まるタイプ」と「破れるタイプ」の2つ、細かく分けると3つの種類があります。
1. 脳梗塞(のうこうそく)=「詰まる」
脳血管疾患の中で最も多いのがこれです。 血管の中に血の塊(血栓)ができたり、動脈硬化で血管が狭くなったりして、血液が流れなくなる状態です。
- イメージ: 古い水道管にサビが詰まって、水が出なくなる状態。
- 特徴: 突然起こることもあれば、徐々に進行することもあります。
2. 脳出血(のうしゅっけつ)=「破れる」
脳の中の細かい血管が、高い血圧に耐えきれずに破れて出血する状態です。 溢れた血が脳細胞を圧迫し、ダメージを与えます。
- イメージ: 老朽化したホースに高い水圧(高血圧)をかけすぎて、パンッと破裂する状態。
- 特徴: 高血圧の人に多く、日中の活動時に突然起こりやすいです。
3. くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)=「大破裂」
脳の表面にある太い血管にできたコブ(動脈瘤)が破裂し、脳を覆っている「くも膜」という隙間に出血する状態です。
- イメージ: 膨らみきった風船が、突然バンッと破裂する状態。
- 特徴: 「バットで殴られたような」と表現されるほどの、人生最大の激しい頭痛に襲われます。
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絶対に見落とすな!体からの「SOSサイン(症状)」
脳血管疾患の怖いところは、「発症したら時間との勝負」だということです。 治療が早ければ早いほど、後遺症が軽く済む可能性が高まります。
以下の症状が出たら、「疲れかな?」と様子を見てはいけません。 即、救急車です。
代表的な症状(FAST)
- Face(顔): 顔の片側が下がったり、歪んだりする。笑顔が作れない。
- Arm(腕): 両腕を上げた時、片方だけ力が入らず下がってくる。
- Speech(言葉): ろれつが回らない。言葉が出てこない。他人の言っていることが理解できない。
- Time(時間): これらの症状が出たら、発症時刻を確認してすぐに119番!
意外と見落としがちな「初期症状」
激しい発作の前に、以下のような「一瞬の違和感(一過性脳虚血発作)」が現れることがあります。
- 手足のしびれ: 片側の手足だけ、ビリビリする感覚がある。
- 目の異常: 片方の目だけカーテンがかかったように見えなくなる。物が二重に見える。
- めまい: グルグル回るようなめまいと同時に、ふらついて立てない。
- 箸を落とす: 食事中に突然、手から力が抜けて箸や茶碗を落とす。
現場監督の勘として言います。 「なんか今日、いつもの自分と違うな」という違和感は、だいたい当たっています。 その勘を信じて、病院へ走ってください。
まとめ:最高の「這い上がり」は、健康な体があってこそ
私たちのような、這い上がりを目指す人間にとって、体は唯一の資本です。 どれだけブログで稼げるようになっても、どれだけ仕事で成功しても、ベッドの上で動けなくなってしまっては、元も子もありません。
脳血管疾患を防ぐメンテナンス方法は、シンプルです。 「血圧管理」「禁煙」「適度な運動」。 つまり、血管という配管をキレイに保つことです。
「忙しいから」と体の声を無視するのは、ボロボロの重機で工事現場に出るようなもの。いつか必ず事故ります。 少しでも「おかしい」と思ったら、ためらわずに専門医に見せてください。
健康な脳と体さえあれば、何度だって這い上がれますから。
※この記事は医療的なアドバイスに代わるものではありません。少しでも不安がある場合は、直ちに医療機関を受診してください。


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