「体調もだいぶ落ち着いてきたし、そろそろ復職かな……」 そう思った瞬間、急に心臓がバクバクして、夜眠れなくなったことはありませんか?
休職中は「早く治して戻らなきゃ」と焦っていたはずなのに、いざ復帰が現実味を帯びてくると、今度は「本当に戻れるの?」「またあの地獄が始まるんじゃ?」という恐怖が襲ってくる。 まるで、ジェットコースターの頂上まで登りつめて、これから落ちるのを待っている時のような気分ですよね。
私もそうでした。復職初日の朝なんて、ネクタイを締める手が震えて、玄関から出るのに10分くらいかかりましたから(笑)。
今日は、適応障害から復職を果たした私が、「どうやってあの恐怖を乗り越えたか」そして「再発せずに働き続けるためのコツ」をお話しします。 先に結論を言っちゃいますが、「元のバリバリ働いていた自分」に戻る必要なんて、1ミリもありませんよ。
「早く戻らなきゃ」は罠です。復職のベストなタイミングとは?
まず大事なのは、タイミングです。 お金の不安もあるし、職場への罪悪感もある。「一刻も早く戻りたい」と思うのが人情です。
でも、はっきり言います。「焦り」だけで決めた復職は、高確率で失敗します。 適応障害は、骨折と違ってレントゲンに映りません。だからこそ、「治ったフリ」ができちゃうんです。でも、中身がスカスカの状態で戦場に戻ったら、どうなるか分かりますよね?
生活リズムが「会社モード」に戻っていますか?
復職のゴーサインを出すのは、医者でも会社でもなく、最終的には「あなた自身」です。 以下のことができるか、自分に問いかけてみてください。
- 毎朝、会社に行くのと同じ時間に起きられていますか?
- 日中、昼寝をせずに活動できていますか?
- 散歩や読書など、少し頭を使う作業をしても疲れませんか?
- 「明日のことを考えても、お腹が痛くなりませんか?」
特に最後が重要です。まだ会社を想像して動悸がするなら、勇気を持って「まだ無理です」と言うのも、立派な仕事の一つですよ。
いきなりフルスロットルは禁止!「リハビリ出社」を使い倒そう

いざ復職が決まっても、いきなり「週5日・フルタイム・残業あり」なんて、F1レーサーでも無理です。 長い間エンジンを切っていた車を、いきなり高速道路で走らせたら壊れますよね? 人間も同じです。
制度があるなら「試し出勤」を使おう
多くの会社には、「リハビリ出社(試し出勤)」や「短時間勤務」の制度があるはずです。 産業医や人事の人に相談して、絶対にこれを使ってください。
- 最初の2週間は、午前中だけ。
- 次の2週間は、定時まで(残業なし)。
- 慣れてきたら、通常勤務へ。
こうやって、じわじわと体を慣らすんです。「周りに申し訳ない」なんて思わなくていい。再発してまた休むほうが、よっぽど大変ですから。
最初の1ヶ月は「ただ座っているだけ」で100点満点
復職直後、真面目な人ほど「遅れた分を取り戻さなきゃ!」と張り切ってしまいます。 これ、絶対にダメです。自爆行為です。
復職して最初の1ヶ月の仕事は、「朝、会社に来て、自分の席に座り、定時に帰る」。これだけです。 パソコンを開いてメールを見るだけでOK。実務なんてできなくて当たり前。 「私は今、会社の空気清浄機だ」くらいの気持ちで、気配を消して座っているだけで、あなたは十分偉いんです。
戻ってからの「再発」が一番怖いですよね?
復職した私たちが一番恐れているのは、「また同じことになってしまったらどうしよう」という再発の恐怖です。 これを防ぐためには、考え方をガラッと変える必要があります。
「元の自分」に戻ろうとしない。「新しい自分」で働く
適応障害になったということは、「以前の働き方」と「あなたの心」が合っていなかったという証拠です。 それなのに、復職してまた「以前と同じように」頑張ったら? 結果は目に見えていますよね。
だから、「バージョンダウンした新しい自分」で働いてください。
- 以前は100点を目指していたけど、これからは60点で提出する。
- 以前は全部引き受けていたけど、これからは「無理です」と断る。
- 飲み会は全部断る。
「あの人、病気してから変わったよね」と言われたら、こっちのものです。 それは「扱いにくい人」になったのではなく、「自分を守れる人」に進化したってことですから。
会社のトイレと非常階段は「避難所」です
仕事中に「あ、なんか辛いかも」と思ったら、すぐに逃げてください。 私は復職後、トイレの個室と、誰も来ない非常階段を「聖域(避難所)」に認定していました。
動悸がしたら、すぐトイレに駆け込んで5分スマホを見る。 これだけで、心のオーバーヒートを防げます。 会社の中に「合法的に逃げられる場所」を作っておくこと。これが長く生き残るコツです。
まとめ:復職してダメなら、また休めばいい。それくらいの気持ちで

復職は、ゴールではありません。長い人生の通過点です。 そして、絶対に覚えておいてほしいのは、「復職=背水の陣ではない」ということです。
もし戻ってみて、「やっぱり無理だ」「この環境は合わない」と思ったら? また休めばいいんです。あるいは、転職したっていい。 「一度戻ったら、もう二度と逃げられない」なんてことはありません。
「ダメならまた逃げればいいや」 ポケットの中にそのカードを持っているだけで、不思議と肩の力が抜けて、案外長く働けたりするもんです。
気負わず、まずは「挨拶だけしに行く」くらいの軽い気持ちで、一歩目を踏み出してみませんか?

コメント