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高所作業車の事故原因は「落下」やない。挟まれ・激突・コード切断を招く”視野”の罠

ボタン一つでカゴがスルスル上がっていく。
誰でも操作できてしまう手軽さがあります。

だから多くの人がこう思っています。
落ちることにさえ気をつければ安全やと。

それが一番危ない勘違いなんです。
今日はその話をさせてください。

目次

1. 高所作業車の事故原因は「落下」だと思ってる時点で危ない

高所作業車の事故と聞いて何を思い浮かべますか。
ほとんどの人がカゴから落ちる姿を想像します。

たしかに墜落は一番件数が多い事故です。
そこは間違いありません。

でも落下だけに気を取られていると足をすくわれます。
事故はカゴの中や足元でも起きているんです。

むしろそっちのほうが油断が出やすい。
なぜか。

高い所で作業を始めると人は上ばかり見るからです。
配線をいじる。

ボルトを締める。
塗装をする。

その作業対象に意識が全部持っていかれる。
その瞬間に視野がごっそり狭くなるんです。

人は一つのことに集中すると周りが見えなくなる生き物です。
目は前を向いていても頭が周辺を拾わなくなる。

これは気合いや根性で防げるもんやありません。
人間の脳のクセなんです。

だからカゴの外側が見えなくなる。
自分の頭上が見えなくなる。

足元が見えなくなる。
高所作業車の一番の敵は高さやありません。

狭くなった視野なんです。
今日はそこを順番に話していきます。

2. 上を見てるから「挟まれる」「頭を打つ」

まず私自身の話をします。
恥ずかしい話ですが実際にやりかけました。

ある現場で上の設備をいじっていたときのことです。
作業対象だけをじっと見ていました。

そのあいだにカゴを少しずつ上げていたんです。
ふと気づいたら上の構造物とカゴの縁が迫っていました。

あと少しで体が挟まれるところでした。
血の気が引きました。

もう一つあります。
上昇に集中して自分の頭上を見ていなかった。

そのまま梁に頭を思い切りぶつけたんです。
ヘルメットがなかったらと思うと今でも寒くなります。

この二つに共通することがあります。
上の作業対象だけを見ていたことです。

カゴの外側への注意が消えていた。
自分の頭上への注意が消えていた。

視野がその一点に吸い込まれていたんです。
これは私だけの失敗やありません。

高所作業車の挟まれは実際に死亡事故として何件も起きています。
バケットの縁と梁の間に挟まれて亡くなった例が労働災害事例に複数あります。

特に多いのが移動中です。
バケットを上げたまま走行する。

地面の凹凸で車体が傾く。
その拍子にバケットが急に持ち上がる。

たった20センチほどのくぼみでもバケットの先は1m近く跳ね上がることがあります。
ブームが長い分だけ先端の振れが大きくなるからです。

ゆっくり動かしていたつもりでも先端は暴れる。
そして頭上の梁との間に挟まれるんです。

決して大げさな話やありません。
上を見て作業に没頭した人間から順に挟まれているんです。

高い所で身を守る話ならこっちも読んでほしい。墜落を止める最後の砦の話だ。

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3. 自分の周りしか見てないから足元でコードをちぎる

挟まれや激突を経験して私は学びました。
カゴの外と頭上にも気を配らなあかんと。

でも今度は別の落とし穴にはまりました。
足元です。

自分の周囲だけを気にして車体を動かしたときのことです。
上と横には気を配っていました。

でも足元がお留守になっていたんです。
地面に這わせていたキャブタイヤのコード。

それをキャタピラで踏んでちぎってしまいました。
幸い大事にはなりませんでした。

でもこれが100Vの活線やったらどうなっていたか。
踏みちぎった瞬間に感電します。

漏電する。
火花が飛ぶ。

ただの断線では済まなかったんです。
ここで分かってほしいことがあります。

上に気を取られると足元が消える。
横に気を取られると足元が消える。

人間の注意力には限りがあるんです。
一点に集中すればどこかが必ずお留守になる。

自走式の高所作業車は動く重機です。
数百キロから数トンの鉄の塊が地面を這うんです。

それを動かす前にやることがあります。
足元を360度ぐるっと確認する。

コードはないか。
人はいないか。

くぼみや障害物はないか。
この癖がない人間は必ずいつか足元でやらかします。

足元の段取りといえば足場も同じだ。土台が甘いと全部が崩れる話はこっち。

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4. 資格は「高さ」で分かれる。知識だけが視野を広げる

ここで資格の話を整理します。
高所作業車の資格は高さで二つに分かれます。

作業床の高さが10m未満なら特別教育です。
学科6時間と実技3時間で修了試験はありません。

そして10m以上なら技能講習になります。
ここは大事なところです。

10m以上は就業制限業務です。
特別教育だけでは絶対に従事できません。

しかも盲点があります。
実際に10mまで上げていなくても関係ない。

その車両が10m以上出せる能力を持っているだけで技能講習が要るんです。
自社の機械の最大の高さを一度確認してください。

私は技能講習まで持っています。
上位の資格を取ってみて分かったことがあります。

資格で習う知識の本質は操作の上手さやないんです。
ボタンの押し方を教わる場やない。

見えていない危険を見えるようにすること。
それが本質なんです。

なぜ上を見ると挟まれるのか。
なぜ移動中にバケットが跳ねるのか。

なぜ足元の確認が要るのか。
この理屈を知っている人間は視野が広がります。

知らない人間は一点しか見えません。
そして怖いのは知らない人間ほど自分は見えているつもりでいることです。

私も昔はそうでした。
技能講習で理屈を学んで初めて自分の視野の狭さに気づいたんです。

狭くなった視野を広げる唯一の方法が知識なんです。
カゴの手すりの外にも危険はあります。

頭の上にも足の下にも危険はあります。
それが見えている人間だけが五体満足で地上に降りてこられるんです。

そしてこの視野を広げる知識です。
休日を丸ごと潰して会場で取る必要はもうありません。

今は賢い取り方があるんです。
その話はまた次の記事でします。

本日もご安全に!

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この記事を書いた人

手取り9万整備士から、残業120時間超え現場監督まで走ってきた。
そこで一度心が折れて無職に。
底から再出発!机上の空論は書きません。
本日もご安全に。

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