骨組みが立って作業床も張れた。
これで足場は完成やと思いたくなります。
でもここで気を抜くと危ないです。
立っていることと安定して倒れないことは別の話なんです。
足場は地面の上にただ置いてあるものやありません。
足元を固めて建物にもつなぎ止めることで安定します。
私は足場を組む職人やありません。
それでも監督として足場の足元や壁つなぎを見てきた側です。
固定が甘い足場ほど怖いものはありません。
だから今回は足場の足元と固定に関わる4つを見ていきます。
足場そのものの全体像から知りたい人はこちらを先に読んでください。

足場の足元と固定で覚えたい4つ
先に結論を言い切ります。
足場の足元と固定に関わるのはこの4つです。
ジャッキベースは足元で高さを調整して荷重を受ける材です。
敷板は地面で荷重を分散して沈下を防ぐ材です。
壁つなぎは足場を建物側へつないで倒壊を防ぐ材です。
クランプは単管と単管を締結する金具です。
骨組みが足場を立たせ作業床が人を乗せました。
この4つは足場の脚部や固定や部材どうしの緊結に関わるものです。
必要な脚部の措置や壁つなぎなどが不足すると足場の安定を損なうおそれがあります。
だから一つずつ何でどこに付いて何のためにあるかを見ていきます。
足場の骨組みになる基本の部材はこちらでまとめています。

人が乗る作業床まわりの部材はこちらです。

ジャッキベースとは
どこに付いて何のためにある?
ジャッキベースは建地の脚部つまり一番下に付く部材です。
私が扱ってきたものは足元で高さを微調整するネジ付きの土台でした。
地面はきれいに平らなことばかりやありません。
段差や傾きがあってもネジを回して足場の高さをそろえます。
建地から脚部へ伝わる荷重を受ける部材の一つがジャッキベースです。
脚部に使うベース金具には高さ調整ができるジャッキベースなどがあります。
鋼管足場では脚部の滑動や沈下を防ぐため、ベース金具を用い敷板や敷角や根がらみを設けるなどの措置が定められています。
ジャッキベースはその脚部まわりの一つと考えてください。
図面では建地の一番下に置かれる脚として見えます。
現場でも「ジャッキ」や「ジャッキベース」と呼ばれます。
ジャッキベースが無かったらどうなる?
高さ調整が必要な足場ではジャッキベースなどを使って脚部を調整します。
これがないと地面の凹凸を吸収できずガタつきや傾きが出やすくなります。
土台が傾いたまま組めば上まで傾きが響きます。
足元の高さ調整は足場全体の安定につながるんです。
敷板(しきいた)とは
どこに付いて何のためにある?
敷板はしきいたと読みます。
足場の脚部の下に敷いて荷重を地盤へ伝えるために使う板です。
足場の重さは脚部の一点に集まりやすいです。
その荷重を広い面で受けて地盤へ分散させるのが敷板の役目です。
敷板や敷角などは脚部の荷重を分散させて沈下を防止するために使われます。
現場では敷板や敷角などが使われます。
図面では脚部の下に敷かれる帯として見えます。
現場では「敷板」や「敷角」と呼ばれます。
敷板が無かったらどうなる?
地盤条件に対して必要な沈下防止措置がなければ脚部が沈下するおそれがあります。
やわらかい地面ほど荷重が集中した脚が沈みやすくなります。
脚が不揃いに沈むと足場全体が傾きます。
だから地盤に応じた脚部の措置が欠かせません。
壁つなぎ(かべつなぎ)とは
どこに付いて何のためにある?
壁つなぎは足場と建物の躯体をつなぐ部材です。
足場を建物側へつないで倒れや振れを防ぎます。
足場は縦に高く横に長い構造です。
そのままやと風や作業の力で外側へ振られやすいんです。
壁つなぎは足場を建物側へつないで足場の倒壊を防止するための重要な部材です。
足場だけで自立させるのではなく建物側の支えも借りて安定させます。
設置間隔にも決まりがあります。
労働安全衛生規則では単管足場は垂直5m以下水平5.5m以下高さ5m以上のわく組足場は、垂直9m以下水平8m以下が基準とされています。
くさび緊結式足場は法規上は単管足場の規定を受けると仮設工業会でも説明されています。
ただし一般的な層やスパンでは支柱と腕木の交点付近に設けるため、実際の壁つなぎ位置はシステムの技術基準やメーカー仕様も確認します。
法令の最大間隔だけで決めるものでもありません。
風荷重や足場の形状や使用するシステムを踏まえて、計画上さらに狭い間隔が必要になる場合があります。
図面では足場から建物へ渡る短い線として見えます。
現場でもそのまま「壁つなぎ」と呼ばれます。
壁つなぎが無かったらどうなる?
壁つなぎまたは法令上認められた代替措置が必要な足場では、それらが不足すると安定を損なうおそれがあります。
風や作業荷重や地震の力を建物側で受け止められなくなるからです。
壁つなぎは足場の安定を確保するうえで重要な部材です。
だから省いたり勝手に間引いたりしてよいものやありません。
クランプ(緊結金具)とは
どこに付いて何のためにある?
クランプは単管と単管をつなぐ緊結金具です。
パイプが交わるところで二本をしっかり締めて留めます。
単管は何本も組み合わせて骨組みを作ります。
そのつなぎ目や交差部を確実に緊結するのがクランプの役目です。
直角に緊結する場合には直交クランプが使われます。
角度を変えて緊結する場合には自在クランプなどが使われます。
図面では単管が交わる節点として表されます。
現場でもそのまま「クランプ」と呼ばれます。
クランプが無かったり締めが甘いとどうなる?
クランプがないと単管どうしがつながりません。
骨組みがばらけて足場として成り立たなくなります。
確実に緊結されていなければ接続部や交差部の安全性を損なうおそれがあります。
だから締結は省けませんし締め具合の確認も欠かせません。
図面での見え方と現場での呼び名
最後に4つを図面と現場で見ておきます。
これは正式な製図ルールやなく読み取りのイメージです。
ジャッキベースは脚部の足元。
敷板はその下の帯。
壁つなぎは建物へ渡る線。
クランプは単管が交わる節点。
私が足場図を見るときはこの位置関係で足元と固定を確認しています。
名前と場所がつながると安全確認がしやすくなります。
現場での呼び名も押さえておきます。
私が関わった現場ではジャッキベースを「ジャッキ」と呼び、敷板や敷角はそのままの名称で呼ぶことがありました。
壁つなぎやクランプもそのままの名前で通じました。
骨組みや作業床だけで足場の安全が決まるわけやありません。
脚部の沈下や滑動の防止や壁つなぎや部材の緊結まで確認して足場全体の安定を確保します。
私は先輩が言っていた「倒すなよ」という言葉をこう受け取っています。
骨組みだけでなく脚部や壁つなぎまで含めて足場全体を見ろという意味なんです。
その先にはあとから乗る多くの職人がいます。
見えにくい部材ほど足場の安全を静かに支えていると思ってください。

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