改正で本足場が原則になったと聞いた。
でも一側足場と本足場が何が違うのか、そこが分からず戸惑う人は多いと思います。
名前だけ聞いても、構造の違いはぴんときません。
まずはこの二つが何が違うのかから押さえるのが近道です。
私は足場を組む職人やありません。
それでも監督として、足場の構造や改正の影響を追ってきた側です。
その立場から、一側足場と本足場の違いを整理します。
2024年の改正で何が変わったのかも、あわせて見ていきます。
足場そのものの全体像から知りたい人はこちらを先に読んでください。

違いは支柱が一列か二列か 結論から
先に結論を言い切ります。
大まかに言えば、一側足場は建地が一列、本足場は建地を内外二列に設ける足場です。
建地とは、足場を支える縦の支柱のことです。
この建地の列の違いが、両者の分かれ目になります。
本足場は、作業床の内外に建地を設ける構造です。
2024年4月からは、一定の幅を確保できる場所では原則として本足場を使うルールになりました。
まずはこの一列か二列かを押さえてください。
そこから一つずつ見ていきます。
本足場とは?
本足場は、建物の外面に沿って建地を内外二列に立てて組む足場です。
建物側と外側の二列で、作業床の両側を支えます。
現場では、二列の建地を持つ足場を二側足場と呼ぶこともあります。
厚労省資料では二側足場と本足場を厳密には区別する説明もあるため、この記事では改正で使われている「本足場」で統一します。
両側から支えるので、荷重も安定して受けられます。
一般的な現場で見る、しっかりした足場の多くがこの本足場です。
一側足場とは?
一側足場は、建地を一列だけ立てて組む足場です。
一側足場には、建地一列にブラケットなどを設けて、作業床を支持する構造があります。
ブラケットとは、建地から横へ張り出して作業床を受ける材のことです。
建地が一列なので、狭い場所に納まりやすいのが持ち味です。
建地が一列のため、本足場とは構造や作業床の支持方法が異なります。
狭い場所向きではありますが、どこでも使っていい足場やありません。
狭い場所で使われることが多い単管足場についてはこちらでまとめています。

2024年の改正で何が変わった?
何が原則になった?
ここで関わってくるのが、2024年の改正です。
一側足場からの墜落・転落災害が発生していたことから、一側足場の使用範囲を明確にするため規則が改正されました。
2024年4月1日から、足場を設ける床面で、建築物等の外面からはり間方向に1m以上の幅がある箇所では、原則として本足場を使用することになりました。
はり間方向とは、建物から外へ向かう奥行きの方向のことです。
つまり、足場を組む幅が1m以上取れる場所では、本足場が基本です。
なおこの1mには、管理できない公道部分などを単純に含めるわけではありません。
条番号や細かい範囲は制度で変わることもあるので、公式で確認してください。
数値の当てはめに迷う場合も、公式や所轄で確かめるのが確実です。
一側足場はもう使えない?
では一側足場は、もう使えないのか。
そういうわけやありません。
幅が1m未満の場所は、この本足場義務の対象外です。
また幅が1m以上でも、つり足場の場合や、障害物その他の現場条件で本足場の使用が困難な場合には、本足場を使用しなくても差し支えないとされています。
ただし、幅1m未満でも可能な限り本足場を使うことが望ましいとされています。
1m未満でも、設置できる条件なら可能な限り本足場を検討するという考え方です。
そして例外にあたるからといって、無条件で一側足場を使ってよいわけやありません。
どちらを使うかは現場の条件や施工計画で判断し、自己判断で決めるものやありません。
現場への影響 まとめ
最後に整理します。
本足場が原則になったことで、現場にも影響が出ています。
一側足場から本足場へ変更すると、建地や関連部材が増え、施工や積算の条件が変わる場合があります。
現場によっては、段取りや使用部材・見積りにも影響します。
これは金額だけの話やありません。
改正された安全基準を満たす計画になっているかを見ることが大事です。
スペースが足りない狭い現場の考え方はこちらでまとめています。

一列か二列かの違いの先には、そこに乗る人がいます。
改正の目的は、足場からの墜落・転落災害を防ぐことです。
先輩が新人に言う「倒すなよ」は、足場の選び方にも通じます。
より安定して人を支える足場を選ぶことが、あとから乗る人を守るからです。

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