「とりあえず足場お願いします」で頼んでしまう。
これがあとで効いてくることがあります。
現場が進んでから伝え漏れが出て、追加や手戻りになる。
足場の依頼は、最初に何を伝えるかで段取りがまるで変わります。
私は足場を発注し、段取りし、足場屋と打合せをしてきました。
組む側やなく、頼んで調整する管理側の立場です。
その立場で何度も感じてきたことがあります。
最初の情報が足りないと、あとでどこかにしわ寄せが出やすくなるんです。
足場そのものの全体像から知りたい人はこちらを先に読んでください。

足場依頼で伝えるのはこの3本柱 結論から
先に結論を言い切ります。
足場依頼でまず伝えるのは、何のための足場か・建物と敷地の情報・工期と設置期間の3本柱です。
まずこの3つを共有しておくと、足場屋も計画を立てやすくなります。
情報が不足していると、あとから確認や計画変更が増えることがあります。
そしてこの3本柱に足すものがあります。
荷揚げや昇降・近隣の状況などを、最初の打合せで一緒に伝えておきます。
まずはこの全体像を押さえてください。
そこから一つずつ見ていきます。
なぜ最初に伝えることが大事?
理由はシンプルです。
伝え漏れがあると、追加対応や工程調整につながることがあるからです。
後から条件が変われば、足場を組み直すこともあります。
伝え漏れによって組み直しが必要になれば、追加費用や工程の手戻りにつながります。
私はこの「後出し」でバタつく現場を何度も見てきました。
だから最初の打合せで、できるだけ一度に伝えるようにしています。
① 何のための足場かを伝える
用途で何が変わる?
まず伝えるのは、何のための足場かです。
塗装なのか・外壁改修なのか・設備工事なのかなど、足場の上で何をするのかを伝えます。
作業内容がなぜ大事かというと、必要な足場が変わるからです。
作業する高さや位置・必要な開口部が、内容によって違ってきます。
同じ建物でも作業内容が違えば、必要な作業床の位置や足場の条件が変わることがあります。
外面を塗るのと、設備を据えるのとでは、足場に求めるものが違うんです。
だから「とりあえず一周」やなく、何をする足場かを最初に伝えます。
作業内容が分かれば、足場屋も作業に合った計画を検討しやすくなります。
② 建物と敷地の情報を伝える
何を伝える?
次に建物と敷地の情報です。
建物の各面の寸法・高さ・開口部の位置を伝えます。
軒や庇などの張り出しも分かれば伝えます。
建物から出た部分は、足場との取り合いに効いてくるからです。
建物まわりの敷地の状況も一緒に伝えます。
隣地との離れ・地面の段差や不陸・搬入経路・障害物があるかどうかです。
不陸とは、地面が平らやなく凸凹していることです。
配管や設備が多い場所は、一般論として足場の組み方に影響することがあります。
建物や敷地の条件が十分に共有されていないと、現地で計画どおりに納まらないことがあります。
だから分かる範囲で先に渡して、足りない分は現地確認につなげます。
建物や規格の確認は図面を描く前の確認事項ともつながります。こちらでまとめています。

③ 工期と設置期間を伝える
なぜ期間が大事?
三つ目は工期と設置期間です。
いつから足場が要るか・いつまで残すかを伝えます。
期間が大事なのは、他の業者との兼ね合いがあるからです。
足場を使う職種の工程と合っていないと、待ちや無駄が出ます。
足場をどれくらい残すかも先に共有します。
残す期間が延びれば、その分の段取りも変わってくるからです。
つり足場や張出し足場を除く足場では、高さ10m以上で組立てから解体まで60日以上となるものなどが計画届の対象になります。
原則として設置工事開始の30日前までに、所轄の労働基準監督署へ届け出ます。
つり足場や張出し足場などは扱いが異なるので、実際の対象や必要書類は所轄の労働基準監督署で確認してください。
高さや期間によって必要になる設置届についてはこちらで詳しく書いています。

④ 見落としがちだが伝えるべきこと
ほかに何を伝える?
3本柱に加えて、見落としやすいものがあります。
これを最初に言えるかどうかで、段取りの差が出ます。
一つは荷揚げや荷取りです。
荷揚げは材料を上へ上げること、荷取りは足場の上で材料を受けることです。
荷揚げや荷取りが必要なら、その位置や必要な設備を足場屋との計画に織り込みます。
希望する昇降位置や、現場の出入口・動線も共有します。
近隣や第三者への飛散・落下対策も共有します。
メッシュシートなどの養生や、必要に応じた朝顔などの防護設備です。
朝顔は、足場の外側へ張り出して飛来や落下物による危険を防ぐ設備です。
近隣の状況や、まわりへの影響で分かっていることは先に伝えます。
道路上に足場や朝顔などを設置する場合は、道路管理者への道路占用許可が必要になることがあります。
また道路上での作業や交通への影響がある場合は、警察への道路使用許可が必要になることがあります。
道路のことは、道路管理者と所轄の警察署へ事前に確認してください。
他業者との取り合いや現場固有の安全条件も、分かっているものは一緒に共有します。
監督が最初の打合せで押さえること まとめ
最後に整理します。
用途・建物と敷地・工期を軸に、最初に分かっている条件をまとめて共有します。
そこに荷揚げ・昇降・近隣や道路条件などを加えて共有すると、足場屋も現地確認や計画を進めやすくなります。
小出しに伝えるより、まとめて渡すほうが結局早いんです。
私が発注側として感じてきたのはこれです。
伝え漏れの一つが、現場全体を止めることがあります。
足場は自分たちだけのものやありません。
その足場にあとから多くの職種が乗って作業します。
先輩が新人に言う「倒すなよ」は、依頼の電話一本にも通じます。
最初にきちんと伝えることが、安全で止まらない現場の入口になるからです。

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