組み上がった足場を前に、足場屋から「良好です」と報告をもらう。
それでも、本当に大丈夫かなと引っかかったことはないでしょうか。
報告書はきれいでも、実際に見ると印象が違うことがあります。
だから受け取る側は、報告だけで判断したらあかんのです。
私は足場を組む職人やありません。
それでも監督として、組み上がった足場の引き渡しを受けて確認してきた側です。
その立場から、組立後に監督として何を見るかを整理します。
この記事では、法令上の点検項目そのものを詳しく解説するのやなく、引き渡しを受ける監督が現物をどう見るかに重点を置きます。
足場そのものの全体像から知りたい人はこちらを先に読んでください。

組立後は自分の目で受け取る 結論から
先に結論を言い切ります。
組立後は、必要な点検が行われていることを確認したうえで、図面どおりか・安全設備がそろっているか・使い勝手に問題がないかを現物でも確かめます。
引き渡しとは、足場屋が組んだ足場を使う側が受け取ることです。
その受け取りの前に、監督としても現物を見ておくということです。
良好という報告を、そのまま鵜呑みにはしません。
報告内容と現物が一致しているかを、受け取る側でも確認します。
まずはこの受け取りの姿勢を押さえてください。
そこから一つずつ見ていきます。
なぜ自分で確認する?
理由はシンプルです。
報告が良好でも、実際に見ると気になる点が見つかることがあるからです。
書類の上では問題なくても、現物で初めて分かることがあります。
だからこそ、受け取る側が現物を見る意味があります。
そして受け取った足場には、このあと多くの人が乗ります。
使用する側の管理として、報告内容と現物を照合します。
図面どおりに組まれているか
何を照合する?
まず見るのは、施工計画図と現物が合っているかです。
組み上がった足場を、計画図と突き合わせて確認します。
施工計画図とスパン・段数・壁つなぎ・昇降位置などを照合します。
建物との離れや高さも、計画と合っているかを確かめます。
数値を自分の感覚で合否判定するのやありません。
あくまで施工計画図と現物を照らして、ずれがないかを見ます。
計画された足場が計画どおりに設置されているかを、現物で照合します。
ここでずれに気づけば、使い始める前に是正を確認できます。
図面のどこを見て現物と照合するかはこちらでまとめています。

安全設備がそろっているか
どこを見る?
次に見るのが、安全設備です。
その足場に必要な作業床・墜落防止設備・物体落下防止設備・昇降設備が、施工計画どおりに設置されているかを確認します。
具体的には、手すりや中さん・幅木等・作業床・昇降設備などを見ます。
どの設備が必要かは足場の種類や構成で変わるので、計画に沿っているかで見ます。
見た目だけやありません。
脚部や緊結部・壁つなぎなど、足場そのものの安定に関わる部分も、必要な点検で確認されているかを見ます。
必要な安全設備の不足があれば、墜落や物体落下などの危険につながります。
だから、そろっているかどうかは受け取り前に確かめておきます。
使い勝手と動線に問題がないか
実際に使う目で見ると?
図面と安全設備の次は、使い勝手です。
これから作業する人の目線で見ることが大事です。
作業する人が動きやすいかを見ます。
昇降設備や荷物の運搬動線に、無理がないかを確かめます。
動線とは、人が現場で動く経路のことです。
出入口がふさがっていないか、作業動線に支障がないかも見ます。
図面上は正しくても、使う人の目線で見ると気になる点が出ることがあります。
必要な点検と使用前の確認が済んだうえで、実際の作業動線を利用者の目線で確認します。
気になる点は受け取る前に伝える まとめ
最後に整理します。
確認して気になる点が出たら、使用を開始する前に伝えます。
不備や疑問があれば、足場屋や関係する責任者へ伝えて、必要な是正を確認します。
危ない箇所を自己判断で触るのやなく、正式に直してもらうのが筋です。
使用開始前に不備を解消しておけば、不安全な状態のまま人が乗るのを防げます。
使い始めてからやと、直すのに手間も時間もかかります。
なお、この記事では引き渡し時の監督目線に絞りました。
ただし組立て等の後には、法令で定められた点検も必要です。
立場によって事業者側や注文者側に点検義務が関わるため、詳しい時期や記録は別記事で確認してください。
法令で決まっている点検の時期や記録についてはこちらでまとめています。

受け取りの確認の先には、あとから乗る全員がいます。
自分の目で一度見ておくことが、その全員の安全につながります。
先輩が新人に言う「倒すなよ」は、足場を受け取る場面にも通じます。
報告の紙やなく現物を見ることが、あとから乗る人を守るからです。

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