足場の見積りを受け取って、これは高いのか妥当なのか分からず固まる。
総額の数字だけ見ても、判断のしようがないと感じた人は多いと思います。
でも見積りは、何で決まるかが分かれば読めるようになります。
その足場工事の見積りの決まり方を、発注側の目線で整理していきます。
私は足場を組む職人やありません。
それでも発注や管理の側として、見積りを読み内訳を確認してきた側です。
その立場から、見積りが何で決まるのかを要素に分けて見ていきます。
具体的な金額を出す記事やなく、どこを見れば妥当か分かる記事です。
足場そのものの全体像から知りたい人はこちらを先に読んでください。

見積りはこの要素で決まる 結論から
先に結論を言い切ります。
足場工事の見積りは、足場の規模や高さ・足場の種類・現場条件・運搬・設置期間・必要な安全設備など、いくつもの条件から組み立てられます。
一つの数字でぽんと決まるものやありません。
いくつもの要素が積み重なって、総額になっています。
だから見るべきは総額だけやありません。
何にいくらかかっているのかという内訳を見ることが大事です。
まずはこの要素の全体像を押さえてください。
そこから一つずつ見ていきます。
なぜ金額は現場で変わる?
理由はシンプルです。
同じ足場でも、規模や条件で必要な部材も手間も変わるからです。
広い建物と狭い建物では、使う部材の量が違います。
組みやすい現場と難しい現場では、かかる手間も違います。
だから「足場工事はいくら」と一律には言えません。
現場ごとに条件が違うから、金額も現場ごとに変わるんです。
規模で決まる部分
面積や高さはどう効く?
まず土台になるのが規模です。
足場の規模を把握する方法の一つとして、掛面積で見ることがあります。
掛面積は、足場を掛ける延長と高さから、おおまかな規模を面積で見る考え方です。
平米という単位で表され、平米は面積の単位のことです。
一般には規模が大きくなるほど、必要な部材や施工量も増える傾向があります。
高さが増えれば、必要な段数や部材も増える傾向があります。
見積りの土台になる数量の拾い方はこちらでまとめています。

種類と現場条件で決まる部分
足場の種類で変わる?
同じ規模でも、使う足場の種類で変わります。
枠組足場・くさび式足場・単管足場など、どれを使うかで単価や手間が変わります。
種類によって使う部材も組み方も違うからです。
現場に合った種類が選ばれるので、種類が違えば見積りの前提も変わります。
これはどれが高い安いという単純な話やありません。
現場条件に合うかどうかで選ばれる、という傾向として見てください。
足場の種類ごとの違いはこちらで比べています。

現場条件はどう効く?
種類の次に効くのが現場条件です。
同じ規模でも、条件が難しいほど手間が増えます。
狭い・高い・障害物が多い・搬入経路が取りにくいといった条件です。
施工条件が厳しくなれば、必要な人員や作業時間・運搬や段取りが増える場合があり、見積りにも影響します。
条件が厳しい現場ほど、単純な平米単価だけでは比較しにくくなります。
だから金額だけでなく、その現場の条件も合わせて見ることが大事なんです。
見落としやすい費用
ほかに何が入る?
規模と種類と条件のほかにも、費用はあります。
ここが見落とされやすいところです。
まず運搬費です。
材料を現場へ運び、また引き上げるための費用です。
運搬費として別に計上される場合もあれば、施工費などに含まれている場合もあります。
だから同じ「運搬」でも、見積書での扱いが会社で違うことがあります。
組立てと解体に必要な施工費も、見積りを構成する要素です。
組む作業と外す作業の、両方の人手がかかります。
設置期間も、見積条件の一つになることがあります。
基本期間を超えた場合に延長費用が発生する契約もあるので、見積書の条件を確認します。
そして安全設備です。
昇降設備・手すりなどの墜落防止設備・幅木やメッシュシートなどの落下防止措置も、必要な計画に応じて見積りに反映されます。
養生とは、まわりへの飛散や落下を防ぐための覆いのことです。
必要な安全設備は、価格を下げるために省くものやありません。
現場条件と法令・施工計画に応じて、必要なものが見積りに入っているかを確認します。
必要な安全措置が見積りや計画から抜けていないかは、金額とは別に必ず確認します。
発注側は見積りのどこを見る? まとめ
最後に、発注側としての見方です。
見積りは、総額の数字だけで判断するものやありません。
総額だけでなく内訳を見て、数量や条件と合っているかを確認します。
私ならまず、施工範囲・数量・組立てや解体・運搬・設置期間・安全設備・追加費用の条件が、どこまで含まれているかを見ます。
見積りに差があるときは、まず数量・施工範囲・含まれる費用・条件の違いを見ます。
複数社で比べる場合も、総額だけやなく、同じ施工範囲と同じ条件になっているかをそろえて見ます。
実際の金額は現場ごとに変わります。
気になるときは、条件を伝えて見積りを取り、内訳で比べてください。
見積りを頼む前に足場屋へ伝えておくことはこちらでまとめています。

見積りの内訳の先には、その足場に乗る人がいます。
安全設備の一項目は、あとから乗る人を守るための費用です。
先輩が新人に言う「倒すなよ」は、見積りを読むときにも通じます。
安さのために削ってはいけないものが、そこにあるからです。

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