現場で「ここ盛替えといて」と言われて、意味が分からず固まる。
初めて聞くと、何をどうすることなのかぴんときません。
似た言葉に「勝手に外す」がありますが、盛替えはそれとは別物です。
まずはこの盛替えが何なのかから押さえていきます。
私は足場を組む職人やありません。
それでも監督として、盛替えの段取りや工程調整を見てきた側です。
その立場から、足場の盛替えとは何かを整理します。
なぜ必要で、勝手に触るのとどう違うのかまで見ていきます。
足場そのものの全体像から知りたい人はこちらを先に読んでください。

盛替えは足場を組み替える作業 結論から
先に結論を言い切ります。
盛替えは、工事の進み具合や作業場所に合わせて、足場の位置や高さ・形などを組み替える作業です。
現場では、必要な部分をいったん解体し、別の位置や形に組み直す場合があります。
足場全体を撤去するのやなく、工事に合わせて必要な部分を組み替える場合に「盛替え」と呼ばれることがあります。
そしてこれは、思いつきでやる作業やありません。
足場の変更にあたる作業として、計画して安全に行うものです。
まずはこの位置づけを押さえてください。
そこから一つずつ見ていきます。
なぜ盛替えが必要?
理由は、工事が進むと足場との関係が変わるからです。
最初にちょうど良かった足場が、途中で邪魔になることがあります。
外壁の仕上げが進めば、足場が干渉する場所が出てきます。
逆に、別の面や高さに新しく足場が要ることもあります。
そのたびに足場全体を組み直すのやなく、必要な範囲を盛り替えて次の工程へ対応する場合があります。
全体を壊すのやなく、必要な範囲を組み替えて工程に合わせていくわけです。
どんなときに盛替えするのか
どんな場面で起きる?
盛替えが起きるのは、足場と工事の取り合いが変わる場面です。
取り合いとは、足場と建物や作業がぶつかる関係のことです。
例えば、外壁の仕上げが進んだときです。
仕上げた面に足場が当たっていると、そのままでは作業や仕上げに干渉します。
工事の範囲が変われば、足場の位置や形を変更する必要が出ることもあります。
工事の重点が移れば、足場もそれに合わせて組み替えます。
障害物との取り合いが変わることもあります。
現場は動いていくので、足場もそれに合わせて盛り替えるわけです。
盛替えは勝手に触るのとは違う
何が違う?
ここが一番大事なところです。
盛替えと、作業者が勝手に足場を外すことは、まったく別物です。
盛替えで足場の組立て・解体・変更を行う場合は、その変更作業として、必要な安全措置や教育・作業体制のもとで行います。
どこをどう組み替えるかを決めたうえで、段取りして進める作業です。
一方で、邪魔だからと作業者がその場で外すのは、盛替えやありません。
それは勝手に触る行為で、墜落防止設備や足場の安定性を損ない、事故につながるおそれがあります。
外す部材によって、墜落防止設備や足場の安定性に影響します。
だから、盛替えという言葉を勝手に外していい理由にしてはいけません。
一方で作業者が勝手に足場を触ってはいけない理由はこちらで書いています。

変更として何が要る?
盛替えは足場の変更なので、変更の枠組みで行います。
足場の組立て・解体・変更に従事する労働者には、地上や堅固な床上での補助作業を除き、特別教育が必要です。
さらにつり足場・張出し足場・または高さ5m以上の構造の足場では、足場の組立て等作業主任者の選任も必要です。
特別教育を受けた人と作業主任者は、役割が別のものです。
作業の進め方にも決まりがあります。
変更する範囲や順序を決め、関係する作業者へ周知したうえで進めます。
盛替えを行っている区域には、関係者以外を立ち入らせないなど、変更作業中の安全確保も必要です。
だから盛替えは、現場で勝手に判断して行うのやなく、必要な作業体制と安全措置のもとで行う変更作業です。
足場を組む作業に必要な特別教育についてはこちらで詳しく書いています。

計画して安全に組み替える まとめ
最後に整理します。
工事の進行に合わせて、盛替えが必要になる現場があります。
そのとき大事なのは、進め方です。
必要な計画・作業者への教育・条件に応じた作業主任者・変更後の点検などを、適切に行うことが重要です。
足場を変更したあとは、使用を再開する前に決められた項目を点検し、異常があれば補修します。
所定の点検では、点検結果や点検者の氏名も記録します。
変更のあとに必要になる点検についてはこちらでまとめています。

組み替えた足場にも、このあと人が乗って作業します。
だから盛替えの後も、乗る人の安全がそのままかかっています。
先輩が新人に言う「倒すなよ」は、盛替えのあとにも通じます。
組み替えた足場を安全に整えることが、次に乗る人を守るからです。

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