元請の安全書類に「足場作業主任者」の記載を求められる。
名前を書こうとして、そもそも作業主任者って誰やと手が止まる。
新人のころはこの言葉でよくつまずきます。
足場で作業する人みんなのことなのか、それとも特別な誰かなのか。
私は足場を組む職人やありません。
それでも監督として、安全書類や現場で作業主任者を見てきた側です。
その立場から、作業主任者とは誰で何をする人かをやさしく整理します。
よく混同される特別教育との違いも、あわせて押さえていきます。
足場そのものの全体像から知りたい人はこちらを先に読んでください。

足場の作業主任者とは 結論から
先に結論を言い切ります。
足場の組立て等作業主任者は、一定の足場の組立て等で作業者を指揮監督する人で、技能講習を修了した者から選任します。
作業する全員のことやありません。
その作業で、直接指揮する立場として選任される人です。
だから足場で作業する人みんなが作業主任者になるわけやないんです。
作業する全員向けの特別教育とは、役割そのものが違います。
まずはこの「指揮する人」というイメージを持ってください。
そこから一つずつ見ていきます。
作業主任者は現場で何をする?
作業主任者は、現場で足場の作業を直接指揮する責任者です。
作業方法と人の配置を決め、作業の進み方を監視します。
さらに材料や器具・墜落制止用器具や保護帽を確認します。
必要な保護具が正しく使われているかも見る立場です。
作業方法や人の配置を決め、作業の進行や保護具の使用状況を監視するなど、足場の組立て等を直接指揮するのが作業主任者です。
危険な状態をそのままにせず、安全に作業できるよう現場をまとめます。
足場が実際にどんな流れで組み上がるかはこちらでまとめています。

どんな足場で選任が必要?
選任が義務になるのは?
作業主任者は、どんな足場でも要るわけやありません。
選任が義務になる足場が決まっています。
つり足場・張出し足場・または高さ5m以上の構造の足場の、組立てや解体や変更の作業では、作業主任者の選任が義務です。
つり足場と張出し足場には、5mという条件はかかりません。
この作業主任者は、足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者の中から選びます。
選任とは、事業者がその人を作業主任者として決めることです。
条番号や対象の細かい範囲は、公式で確認してください。
制度は改正されることもあるので、最新の内容にあたるのが確実です。
5m未満ならいらない?
高さ5m未満の足場ならどうなるか。
作業主任者の選任義務そのものは、つり足場や張出し足場や5m以上などの条件にかかります。
ただし、選任対象にならない足場やから何もいらないわけやありません。
墜落のおそれがある作業では、厚生労働省の安全対策で、作業を指揮する者を決めて直接指揮させることが示されています。
これは法令上の作業主任者とは別の話です。
選任対象外でも、安全に作業を指揮する人を明確にする考え方は重要なんです。
元請の安全書類では、法令上の選任対象とは別に、作業を指揮する人の記載を求められる場合もあります。
だから「対象外やから空欄でいい」と自己判断せず、元請や公式で確認してください。
特別教育と作業主任者は何が違う?
対象と役割はどう違う?
ここが一番混同されやすいところです。
特別教育と作業主任者は、対象も役割も違います。
特別教育は、足場の組立て・解体・変更の作業に従事する人に必要な教育です。
ただし、地上や堅固な床上で行う補助作業は対象から除かれています。
一方の作業主任者は、その現場で指揮監督する人向けの技能講習です。
作業する側と、指揮する側の違いなんです。
言いかえると、こうなります。
組立て等の作業に従事する人には特別教育・そのうえで一定の足場では技能講習修了者から作業主任者を選任する、という関係です。
作業する人に必要な特別教育そのものの中身はこちらで詳しく書いています。

どうやって取る? まとめ
取得の流れは?
作業主任者になるには、まず足場の組立て等作業主任者技能講習を修了します。
そのうえで、資格を持つ人の中から事業者が現場の作業主任者を選任します。
技能講習を修了しただけで、その現場の作業主任者になるわけやありません。
資格を持つことと、現場で選任されることは別の段階なんです。
受講には実務経験などの要件があります。
細かい要件や取得の流れは、登録教習機関や公式の案内で確認してください。
足場以外も含めた現場の資格をまとめて知りたい人はこちらもどうぞ。

作業主任者は、技能講習を修了しただけで終わりやありません。
現場で選任されて、決められた職務を担う立場です。
その指揮の先には、足場に乗って作業する人がいます。
先輩が新人に言う「倒すなよ」は、この指揮する立場にこそ重く通じます。

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