MENU

足場の作業床・手すり・幅木は何のためにある?墜落と落下を防ぐ理由を解説

足場の上で作業していると、足元に床があって腰のあたりに手すりがある。
その守りに体を預けている感覚があります。

普段は当たり前に感じて意識もしません。
でもその守りが一つでも欠けると、足場は途端に怖い場所になります。

私は足場を組む職人やありません。
ただ足場に乗って作業する側も、管理する側も経験してきました。

床に命を預ける感覚も、管理側として確認する目線も持っています。
その両方から、作業床・手すり・幅木を深く見ていきます。

足場そのものの全体像から知りたい人はこちらを先に読んでください。

あわせて読みたい
足場とは?初めて学ぶ人へ 部材・種類・図面・資格までの基本ガイド 現場に入ってまず見上げるのが足場や。下から見上げるとその大きさに少し圧倒される。 私は足場を組む職人やありません。管理側として何度も足場を見上げてきた側です。...
目次

三点セットは落ちない・落とさないための備え 結論から

先に結論を言い切ります。
足場の作業床まわりでは、作業床・墜落防止設備・物体の落下防止設備をそれぞれ確保します。

この記事では、その代表として作業床・手すり・幅木の3つを見ていきます。
作業床は安全に乗る床・手すりは人の墜落を防ぐ・幅木は物の落下を防ぐという役割です。

必要な設備が欠けると、墜落や物体落下などの危険につながります。
必要な作業床・墜落防止設備・物体落下防止設備がそろって、安全に作業するための環境になります。

まずはこの三つで考える意味を押さえてください。
そこから一つずつ見ていきます。

作業床まわりを含む足場の部材はこちらでまとめて解説しています。

あわせて読みたい
足場の部材②|踏板・手すり・幅木・階段とは?作業床まわりの役割を初心者向けに解説 足場の骨組みができると次は人が乗る番です。ここからは人が実際に足を乗せて働く部分の話になります。 骨組みは足場が立つための材でした。でも人は骨組みだけの上では...

なぜ三点セットで考える?

作業床まわりで特に意識したいのが、人が落ちる危険と物が落ちる危険です。
この二つは向きが違う別の危険です。

人が落ちれば、その人が墜落します。
物が落ちれば、下にいる人に当たります。

人が落ちない・物を落とさない、この二つの守りがそろってはじめて安全に働けます。
作業床・手すり・幅木は、その二つを分担して受け持っているんです。

作業床は安全に乗るための床

何のためにある どんな決まり?

作業床は人が乗って作業する床です。
現場では「アンチ」と呼ばれることもあり、これは作業床の別名です。

この床がしっかりしていないと、そもそも安全に立てません。
だから作業床には幅やすき間の決まりがあります。

足場(一側足場を除く)の高さ2m以上の作業場所では、原則として作業床を設けます。
つり足場の場合を除き、幅は40cm以上・床材間のすき間は3cm以下とされています。

さらに床材と建地とのすき間は、原則12cm未満とされています。
すき間が大きいと踏み外しや物体落下などの危険につながるからです。

床がしっかりしているというのは、ただ立てるだけの話やありません。
落ちない・落とさないの土台に、この作業床があるんです。

手すりは人の墜落を防ぐ

何のためにある どんな決まり?

手すりは作業床の外側で人が落ちるのを防ぐ部材です。
床の縁に立って人と外の空間を仕切ります。

高さにも決まりがあります。
墜落のおそれがある箇所では、わく組足場以外の足場の場合、高さ85cm以上の手すり等と高さ35cm以上50cm以下の中さん等を設けます。

中さんとは、手すりと床のあいだに渡す横材のことです。
手すり等と中さん等を組み合わせて、墜落防止設備として機能させます。

わく組足場では、また別の方法があります。
交さ筋かいと下さんまたは幅木等を組み合わせる方法や、手すりわくを使う方法です。

手すりの怖いところは油断が一瞬だということです。
自分は気をつけていても、ふとした拍子の墜落を止めてくれるのが手すりなんです。

幅木は物の落下を防ぐ

何のためにある どんな決まり?

幅木は作業床の縁に立てる低い板です。
つま先板とも呼ばれ、床の端に立つ壁のような部材です。

幅木は主に、工具や材料などの物体落下を防ぐために使われます。
また足場の種類や構成によっては、墜落防止設備の一部として使われる場合もあります。

高さの決まりもあります。
作業による物体の落下で労働者に危険を及ぼすおそれがあるときは、高さ10cm以上の幅木・メッシュシート・防網などの落下防止設備を設けます。

なぜここまで気にするのか。
下に人がいれば、落ちた工具や材料が重大な事故につながるからです。

足場は上下で人が同時に動く場所です。
だから幅木は、特に足場の下や周囲にいる人を落下物から守る役割があります。

どれが欠けても命に関わる まとめ

最後に整理します。
作業床・墜落防止設備・物体落下防止設備は、足場で安全に作業するための基本です。

作業床が人の足元を支え、手すり等が墜落を防ぎ、幅木等が物体の落下を防ぎます。
役割を分け合って、はじめて安全がそろいます。

だからこそ、必要な安全設備を利用者の判断で勝手に外したり省いたりしてはいけません。
一つ欠けるだけで、落ちない・落とさないのどこかに穴が開くからです。

手すりや幅木を勝手に外してはいけない理由はこちらで書いています。

あわせて読みたい
足場を変更するときに勝手に触ってはいけない理由は?初心者向けに解説 足場に乗って作業していると、手すりや筋交いが邪魔に感じることがあります。あと少し体を入れたいのに、そこに一本ある。 つい外したくなる、その気持ちは分かります。...

作業の必要上、一時的に墜落防止設備を外す場合も自己判断では行いません。
責任者の管理のもと、要求性能墜落制止用器具の使用など必要な代替措置と立入禁止措置を講じ、必要がなくなれば直ちに原状へ戻します。

この三つの設備の先には、いつも人がいます。
床に乗る人・その外に立つ人・下を歩く人、みんなの安全がかかっています。

先輩が新人に言う「倒すなよ」は、この作業床まわりにも通じます。
落ちない・落とさないを守る一つ一つが、あとから乗る人を守るからです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

手取り9万整備士から、残業120時間超え現場監督まで走ってきた。
そこで一度心が折れて無職に。
底から再出発!机上の空論は書きません。
本日もご安全に。

コメント

コメントする

目次