足場を計画したら、既存の配管や設備とぶつかった。
障害物が多い現場に当たると、こういう場面が出てきます。
足場を入れたい場所に、先に別のものがある。
そんなとき、力任せに押し込もうとしても無理が出ます。
私は足場を組む職人やありません。
それでも監督として、既存のものをよけて足場を考える現場を見てきた側です。
その立場から、障害物が多い場所をどう考えるかの判断軸を整理します。
無理に避ける裏技の話やなく、どう段取りするかという話です。
足場そのものの全体像から知りたい人はこちらを先に読んでください。

障害物が多い場所はこう考える 結論から
先に結論を言い切ります。
障害物が多い場所は、先に取り合いを確認し、干渉するものを図面と現地で洗い出してから足場を考えます。
その場で無理に足場を通したり、既存設備を外したりするのは危険です。
既存のものを勝手に動かさず、足場計画と関係者との調整で対応を考えるのが基本です。
障害物の問題は、順番を守れば見通しが立ちます。
先に洗い出して、避け方を考えて、必要なら調整する、という順番です。
まずはこの考え方を押さえてください。
そこから一つずつ見ていきます。
取り合いとは?
まず言葉の整理からです。
ここでは、足場と既存設備などの位置関係や納まりを取り合いと呼びます。
同じ空間を、複数のものが使おうとする状態やと考えてください。
干渉とは、そのものどうしがぶつかることです。
障害物が多い現場では、この取り合いが何か所も出てきます。
だからまず、どこで何と取り合うかを先に整理するんです。
まず干渉を洗い出す
何をどう確認する?
最初にやるのは、干渉の洗い出しです。
どこに何があって、足場とぶつかるかを先に把握します。
図面と現地の両方で、干渉するものを洗い出します。
図面に反映されていない設備や、現地で追加・変更されたものがある場合もあるからです。
見るのは平面だけやありません。
上下や奥行きも含めて、立体で干渉を見ておきます。
足場は高さ方向にも伸びるので、上のほうでぶつかることもあります。
だから足元だけでなく、上や奥まで目を配って確認します。
着工の前に現地で確認しておくことはこちらでまとめています。

干渉するときの考え方
ぶつかったらどうする?
干渉が見つかったら、避け方を考えます。
まず足場の側で見直せないかを見ます。
足場の位置や割り付けを見直す。
施工範囲や足場の計画を見直す。
必要なら足場の種類も含めて検討する。
まずは足場側の計画を見直して、干渉を避けられないか検討します。
既存の配管や設備を、勝手に外したり動かしたりしてはいけません。
なお現在の足場ルールでも、撤去が難しい障害物があって本足場の建地を2本設けることが困難な場合などは、本足場の使用が困難なケースとして示されています。
ただし障害物があるから自由な足場でよいという意味やなく、実際の構造は施工計画や基準に沿って確認します。
狭い場所で使われることが多い単管足場についてはこちらでまとめています。

どうしても避けられないときは?
足場の計画を見直しても避けられないこともあります。
そんなときは、関係者や設備の管理者と調整します。
自分の判断で、既存のものをどうこうしてはいけません。
そのものの所有者や責任者に確認を取って、どう扱うかを決めます。
近接してよいか・どんな対策が必要かは、その設備の管理者や関係する責任者・施工計画や公式基準で確認します。
特に電線など電気設備への近接は、単なる取り合いやなく感電事故につながるため、設備管理者などへ確認して正式な防護措置を取ります。
急いで自己判断で進めるのが、一番まずい進め方です。
一度止めて確認に回すのが、結局は近道になります。
関係者との調整で解く 監督の目線 まとめ
最後に整理します。
障害物が多い現場は、当日に力ずくで解くものやありません。
先に取り合いを確認して、関係者と調整しておくことが効きます。
早めに洗い出すほど、避け方も調整の時間も確保できるからです。
無理に足場を通して設備を傷めたり、必要な安全を削ったりするのが一番まずいです。
設備の破損や事故につながるおそれがあります。
スペースそのものが足りない現場の考え方はこちらでまとめています。

その足場には、あとから多くの職人が乗って作業します。
足場も既存の設備も傷めず、安全に成り立たせるのが段取りの仕事です。
先輩が新人に言う「倒すなよ」は、取り合いの多い現場でこそ効いてきます。
無理に押し通さず確かめることが、あとから乗る人を守るからです。

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