足場屋から出てきた見積りを見て、これは高いのか妥当なのか分からず固まる。
そんなときに自分でも数量を拾ってみようとした人は多いと思います。
でもいざ図面を前にすると、何をどう数えればいいのか分からへん。
足場の数量拾いは、順番と土台さえつかめば見当がつくようになります。
私は図面から数量を拾い、発注や見積りと突き合わせる作業をしてきました。
足場屋として積算を請け負ってきたわけやなく、監督として拾う側です。
その立場から、拾い出しの考え方を整理していきます。
拾い出しとは、図面から必要な部材の数や量を数えて出す作業のことです。
数量を拾う前に足場図面のどこを見るかはこちらでまとめています。

足場の数量は順番に拾う 結論から
先に結論を言い切ります。
私が数量を確認するときは、まず各面のスパン数や段数をつかみ、その足場で使う部材構成に沿って必要数を追っていきます。
そのうえで、壁つなぎ・昇降設備・安全設備などの拾い漏れがないか確認します。
足場の方式によって部材構成や数え方が違うので、まずどの足場かを押さえるのが先です。
そしてもう一つ前提があります。
使用する足場システムや部材寸法を確認してから数量を拾います。
枠組足場などインチ系・メーター系の違いが関係する場合は、その確認も必要になります。
まずはこの流れと前提を頭に入れてください。
そもそも何のために数量を拾う?
数量を拾うのはいくつかの目的があります。
一つは発注や材料手配のためです。
必要部材が不足すれば追加手配が必要になりますし、過剰なら余分な手配につながります。
必要な数の見当を先に持っておくと、手配の判断がしやすくなります。
もう一つは見積りが妥当かの確認です。
自分でも数量の見当を持っておくと、見積りに大きな差があるとき内容を確認しやすくなります。
拾い出しの土台になる数え方
スパン数と段数はどう数える?
拾い出しの土台になるのがスパン数と段数です。
まずこの2つを押さえると、部材の数が追いやすくなります。
ここでいうスパンは、足場を横方向に区切る一区間のことです。
単管やくさび式では支柱間、枠組では建枠間として考えます。
すでに足場図があるなら、図面上の割付からスパン数を数えます。
自分で概算するときは、使用する足場システムで使えるスパン寸法を確認して見当をつけます。
段数は、立面図や計画図に示された層数を確認します。
自分で概算するときは、システムの高さ方向の寸法と必要な作業高さから見当をつけます。
このスパン数と段数が、部材を拾うときの土台になります。
ここを取り違えると、その後の部材数量にも大きく影響します。
面積での考え方は?
数量には面積で見る考え方もあります。
足場では掛面積で概算することもあります。
掛面積は、足場を掛ける長さと高さからおおまかな施工面積を見るときに使う考え方です。
全体のボリュームをざっくりつかむのに向いています。
ただし掛面積はあくまで概算です。
部材を一つずつ数える拾い出しとは、目的も精度も違います。
概算で全体感をつかみ、部材拾いで細かい数を出す。
この2つは使い分けるものやと考えてください。
部材ごとに拾っていく
主要な部材は何を数える?
土台ができたら、部材を一つずつ拾います。
主要部材は、スパン数や段数を手がかりにしながら、使用する足場システムの構成に沿って数えます。
何を数えるかは足場の種類で変わります。
枠組足場なら建枠や交さ筋かい、くさび式なら支柱や手すり、単管足場なら鋼管やクランプなど、使うシステムの部材表に沿って追います。
作業床や筋かいなども、図面と使用システムに沿って拾います。
どの足場でも同じ数量ルールがあるわけやなく、その足場の構成に合わせるのが基本です。
作業床や手すり・幅木そのものの役割はこちらでまとめています。

拾い漏れしやすいのは?
拾い出しで怖いのが拾い漏れです。
主要な部材は数えても、付属の部材や設備を忘れやすいんです。
私が特に拾い漏れを見るのは、壁つなぎ・脚部まわり・昇降設備・幅木・朝顔・メッシュシートなどです。
朝顔やメッシュシートは、飛来や落下から人を守る防護設備です。
これらは数が多くなくても、忘れると現場で足りなくなります。
主要部材を追ったあとに、付属部材や安全設備の拾い漏れがないか別に確認します。
計画上必要な墜落防止設備や落下防護設備は、見積り比較でも数量から落とさないよう確認します。
手すり・幅木・防護は、安く上げるために省くものやありません。
拾い漏れしやすい壁つなぎやベース類そのものの役割はこちらでまとめています。

拾うときに間違えやすいこと
なぜ規格の確認が先に要る?
拾い出しでやっかいなのが部材寸法の取り違えです。
使う寸法が違うと、スパンの割付が変わるからです。
使用する部材寸法を取り違えると、スパン割りや部材数量にズレが出ます。
土台のスパン数がずれれば、その上に積んだ数量にも響きます。
枠組足場などでインチ系・メーター系の違いがある場合は、どちらを使うかを確認します。
だから私は、まず使用する足場方式とシステムと部材寸法を確認してから数量を見ます。
規格を取り違えると数量がずれます。インチ系とメーター系の話はこちらです。

なお壁つなぎのように、配置そのものが基準や施工計画で決まる部材もあります。
その場合は、図面に計画された壁つなぎを数えるのであって、拾う側が勝手に配置を決めるものやありません。
拾った数量をどう使う 監督の目線 まとめ
最後に、拾った数量の使い方です。
数字は出して終わりやなく、突き合わせて使います。
私は自分で拾った数量を足場屋の見積りと突き合わせ、大きなズレがないかを見ます。
ぴったり合わせるためというより、桁違いのズレに気づくためです。
ただし足場の見積りは、部材数量だけで決まるものやありません。
運搬・組立や解体・人件費・現場条件・養生・防護設備などでも変わります。
だから自分の数量と違うだけで高いと決めつけず、内訳を確認するための材料として使います。
自分の拾いと見積りが大きく違えば、使用システムか・部材構成か・安全設備か・運搬や組立解体か・現場条件か、どこかに理由があります。
数量拾いは、発注や見積り確認だけやなく、必要な安全設備が計画に含まれているかを見るきっかけにもなります。
安全設備が計画と見積りの両方にきちんと入っているかを確認します。
その数字の先には、出来上がった足場に乗る職人がいます。
必要な部材や安全設備の拾い漏れに気づくことも、現場を止めないための大事な確認やと思っています。
先輩が新人に言う「倒すなよ」は、数量を拾う机の上にも通じます。
図面の一部材を数える手が、現場の安全の入口になるからです。

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