足場の骨組みができると次は人が乗る番です。
ここからは人が実際に足を乗せて働く部分の話になります。
骨組みは足場が立つための材でした。
でも人は骨組みだけの上では働けません。
床があって手すりがあってはじめて人が乗れます。
つまりここは乗る人の安全に直結する部分なんです。
私は足場を組む職人やありません。
それでも監督として組み上がった足場に乗り作業床まわりを見てきた側です。
作業床まわりはあとから足場を使う職人の安全に直結する重要な部分です。
だからこの4つは軽く流せへんのです。
足場そのものの全体像から知りたい人はこちらを先に読んでください。

作業床まわりでまず覚えたい4つ
先に結論を言い切ります。
人が足場を使うときに関わるのはこの4つです。
踏板は人が乗る床です。
手すりは人が落ちないための設備です。
幅木は物を落とさないための材です。
階段は安全に上り下りするための設備です。
骨組みが足場を立たせ作業床が人を乗せます。
この4つは人が足場を使うときの安全に深く関わる部材や設備です。
どれも人の体や動きに近いところにあります。
だから一つずつ何でどこに付いて何のためにあるかを見ていきます。
今回の作業床が載る土台になる骨組みの部材はこちらでまとめています。

踏板(ふみいた)とは
どこに付いて何のためにある?
踏板はふみいたと読みます。
人が乗る作業床を構成する部材です。
足場の中で実際に足を乗せて歩くのがこの踏板です。
ただし足場の種類によって支持方法や床材の構成は変わります。
私が関わった現場では「アンチ」と呼ばれることも多かったです。
「布板」や「鋼製足場板」と呼ばれることもあります。
作業床には決まりもあります。
一側足場を除く高さ2m以上の作業場所では幅40cm以上とし床材のすき間は、3cm以下床材と建地のすき間は12cm未満とすると労働安全衛生規則で定められています。
これは労働安全衛生規則で定められている作業床の基本的な基準です。
つり足場など一部に例外があるので細かい扱いは公式や仕様で確認してください。
私が見てきた足場図では作業床の範囲を面や帯のように、追うと人が作業する位置をつかみやすかったです。
現場でもそのまま「踏板」や「アンチ」と呼ばれます。
踏板が無かったらどうなる?
踏板がなければ乗る床がありません。
足場の上で作業するには必要な作業床を適切に設けることが基本です。
骨組みだけでは人は立てません。
床がそろってはじめて足場は働く場所になるんです。
手すりとは
どこに付いて何のためにある?
手すりは作業床の外側に付く墜落防止のための設備です。
乗っている人が外へ落ちるのを防ぐ役目です。
床の縁に立って人と外の空間を仕切ります。
高い場所ほどこの一本の重みが増します。
高さにも決まりがあります。
わく組足場以外の足場では墜落のおそれのある箇所に、高さ85cm以上の手すり等と高さ35cm以上50cm以下の中さん等を設けることが基本です。
わく組足場では別の墜落防止設備の基準があります。
交さ筋かいに加えて高さ15cm以上40cm以下の桟、または高さ15cm以上の幅木などを組み合わせる方法や手すりわくなどが定められています。
図面では作業床の外側を走る線として見えます。
現場でもそのまま「手すり」と呼ばれます。
手すりが無かったらどうなる?
必要な墜落防止設備がない状態では墜落の危険が高まります。
だから手すりは軽く扱えるものやありません。
作業上やむを得ず一時的に取り外す場合もあります。
そのときは法令に沿った墜落防止措置や立入管理が必要になります。
幅木(はばき)とは
どこに付いて何のためにある?
幅木ははばきと読みます。
作業床の縁に立てる低い板です。
幅木は主に工具や材料などが足場の縁から落ちるのを防ぐ材です。
足場の種類や構成によっては墜落防止設備の一部として扱われる場合もあります。
物体が落下し労働者に危険を及ぼすおそれがある場合の措置も定められています。
高さ10cm以上の幅木やメッシュシートや防網などの落下防止設備を設けます。
なおわく組足場で墜落防止設備の一部として、幅木を使う場合は高さ15cm以上という別の基準があります。
この10cmと15cmは目的が違うので混同しないよう気をつけてください。
図面では作業床の縁に沿った低い線として見えます。
現場でもそのまま「幅木」と呼ばれます。
幅木が無かったらどうなる?
必要な落下防止措置がないと工具や材料などが下へ落下する危険が高まります。
落ちた物は下にいる人に当たるおそれがあります。
足場は上下で人が同時に動く場所です。
だから幅木やメッシュシートなどの落下防止措置は下の人を守るために欠かせません。
階段(昇降設備)とは
どこに付いて何のためにある?
足場では上下の移動のために昇降設備を設けます。
組み上がった足場を安全に上り下りするための設備です。
労働安全衛生規則では高さまたは深さが1.5mを超える箇所で作業するとき、安全に昇降するための設備等を設けることが定められています。
これは作業床の2mという基準とは別の決まりです。
昇降設備には階段やはしご道などがあります。
どの設備を使うかは足場の計画や仕様によって変わります。
図面では昇降の位置を示す形で描かれます。
現場では「階段」や「昇降階段」と呼ばれることもあります。
安全な昇降設備がないとどうなる?
決められた昇降設備を使わず無理な上り下りをすると墜落や転落の危険が高まります。
昇降は繰り返し行う動作なので設備と使い方を軽く見られへんのです。
私も昇降まわりは管理側として気にして見てきました。
上り下りのしやすさと安全は足場の使いやすさに直結するからです。
図面での見え方と現場での呼び名
最後に4つを図面と現場で見ておきます。
これは正式な製図ルールやなく私が図面を読むときのイメージです。
踏板は作業床の面。
手すりは外側の線。
幅木は縁の低い線。
階段は昇降の位置。
私が見てきた足場図でもこの位置関係を追うと人がどこで働くかが見えました。
名前と場所がつながると打合せや安全確認がしやすくなります。
現場での呼び名も押さえておきます。
私が関わった現場では踏板をアンチや布板と呼ぶ人もいました。
手すりや幅木や階段はそのままの名前で通じました。
ここまでの4つは骨組みとは役割が違います。
骨組みが足場を支える部分なら作業床や墜落防止設備は、人がその足場を使うときの安全に直結する部分です。
足場は自分だけやなくあとから多くの職人が使います。
その人たちが安全に乗り降りして働くための部分やと思えば見方も変わってきます。
私は先輩が言っていた「倒すなよ」という言葉をこう受け取っています。
骨組みだけでなくあとから足場を使う人まで考えろという意味なんです。

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