足場ができあがった後は、まわりに手すりがあって守られています。
でも、その足場を組んでいる最中の作業者は何に守られているのでしょうか。
完成した足場ばかりに目がいって、作る途中は見落とされがちです。
実はその途中こそ、墜落を意識すべき時間なんです。
私は足場を組む職人やありません。
それでも監督として、組立や解体のときの安全対策を見てきた側です。
その立場から、手すり先行工法とは何かを整理します。
なぜ先に手すりを組むのか、その理由まで見ていきます。
足場そのものの全体像から知りたい人はこちらを先に読んでください。

手すり先行工法は作る途中を守る工法 結論から
先に結論を言い切ります。
手すり先行工法は、足場の組立てや解体などを行うとき、作業者がその作業床に乗る前に、床の端となる箇所へ手すりを先に設ける工法です。
完成した足場を守るためやなく、作っている途中を守るための考え方です。
組立や解体のときの墜落を防ぐことが、この工法の目的です。
登ってから手すりを付けるのやなく、登る前に手すりを付けておくのが肝です。
その順番の違いが、危険な瞬間の守りを大きく変えます。
解体するときも同じ考え方です。
作業床を外す前に、その床の端を守る手すりを残した状態で進めるのが基本です。
足場を組んでいく施工の流れ全体はこちらでまとめています。

なぜ組立や解体が危ない?
足場の事故と聞くと、完成した足場を思い浮かべがちです。
でも足場の組立てや解体の途中は、手すりなどの墜落防止設備が完成していない状態が生じます。
従来の組立方法では、次の作業床へ上がった時点で、その床端の手すりがまだ設置されていない状態が生じることがあります。
だからこそ、その途中の墜落防止を強く意識する必要があります。
手すり先行工法は、その状態をつくらないための工夫です。
守りがそろう前に立たせない、という発想やと考えてください。
墜落を防ぐ手すりや作業床そのものの役割はこちらでまとめています。

どうやって先に手すりを付けるのか
どんな方式がある?
手すり先行工法の基本の考え方は、順番を入れ替えることです。
下の安全な位置から、次に使用する作業床の端へ手すりを先行して設けます。
先行手すりとは、その作業床に乗る前に先に設けておく手すりのことです。
先に手すりがある状態で上がるので、手すりのない縁に立たずに済みます。
方式にもいくつか種類があります。
代表的には、手すり据置き方式・手すり先送り方式・手すり先行専用足場方式があります。
こうした方式の中身や使い方は、ガイドラインやメーカー資料で整理されています。
どの方式をどう使うかは、使う足場の仕様や公式基準で確認してください。
なぜ広がってきたのか
制度やガイドラインでの位置づけは?
手すり先行工法は、安全対策として広がってきました。
背景にあるのが、足場からの墜落を防ぐという流れです。
手すり先行工法については、厚生労働省が「手すり先行工法等に関するガイドライン」を定めています。
法令で求められる墜落防止措置を守ったうえで、さらに組立て・解体・変更時の墜落リスクを減らすために、手すり先行工法を推進する内容です。
つまり、法令の墜落防止措置とガイドラインは別の位置づけです。
法令上の措置を守るのが土台で、その上でより安全な方法として示されているのが手すり先行工法です。
初心者がまず押さえたいのは、細かい制度の区分やありません。
作業床に乗る前に、墜落を防ぐ手すりを先行して設けるという考え方です。
作る途中の安全まで考える まとめ
最後に整理します。
手すり先行工法は、完成した足場だけを見る工法やありません。
作る途中と壊す途中の安全まで考えるのが、この工法です。
一段先の手すりが、その段に立つ人を守ります。
足場は、できあがったときだけ危ないわけやありません。
組む一段ずつ、壊す一段ずつに、人の安全がかかっています。
その作業床に乗る前に手すりを先行して設けておくことが、墜落リスクを減らします。
面倒に見えても、その順番が命を分けることがあるんです。
先輩が新人に言う「倒すなよ」は、作っている途中にも通じます。
まだ手すりのない床に立たせないことが、あとから乗る人を守る第一歩やからです。

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