買ったばかりの替刃が一日でダメになった。
そんな経験ありませんか。
機械が悪いんやない。
腕が悪いんでもない。
刃の山数を間違えてるだけなんです。
1. 導入:替刃がすぐダメになる。それは機械のせいでも腕のせいでもない。刃の「山数(ピッチ)」を間違えているだけだ
現場で若手を見てると、だいたい同じことをやってます。
一本の替刃で何でも切ろうとする。
太いパイプもアングルも電線管も全部同じ刃。
それで刃が飛んだと騒いでる。
当たり前です。
バンドソーの刃には山数という規格があるんです。
ピッチとも言いますね。
一インチあたりに何個の刃があるかという数字です。
この山数を材料に合わせて選ぶ。
たったそれだけのことを知らんまま、みんな替刃を溶かしてる。
替刃は一本で数千円します。
それを月に何本も折ってたら、年間でとんでもない金額になる。
しかも刃が飛べば現場が止まります。
買いに走る時間。
段取りが崩れる時間。
後ろの職人を待たせる時間。
全部カネなんです。
知ってるか知らんかだけで、この損は消えます。

2. 鉄則:刃の山数は「切る材料の厚み」で決まる。3山以上かかっているかが寿命を分ける
まず絶対に覚えてほしい鉄則があります。
材料の厚みに対して、常に3山以上が当たってること。
これが刃の寿命を分ける境界線です。
なんでか。
理屈は単純なんです。
厚みに対して山が少なすぎると、一つの刃に力が集中します。
一枚の歯で全部を削ることになる。
そうなると刃が材料に食い込みすぎるんです。
食い込んだ刃はねじれる。
ねじれた刃は欠ける。
最悪、そこから切れて飛びます。
逆に山が多すぎるとどうなるか。
今度は削りカスの逃げ場がなくなります。
刃と刃の間に切り粉が詰まる。
詰まったら切れなくなる。
切れんから押し付ける。
押し付けるから熱を持って刃が焼ける。
薄物には細かい山。
厚物には粗い山。
そして常に3山以上を当てる。
この原則さえ守れば、替刃は驚くほど長持ちします。
3. 14/18山(コンビ刃):太物パイプやアングルを切る現場の主役
現場で一番出番が多いのが14/18山です。
コンビ刃とも呼ばれてます。
山の間隔が場所によって変えてある。
だから一本で幅広い厚みに対応できるんです。
太物のパイプ。
アングル。
チャンネル。
このあたりを切るなら、これが主役になります。
粗い山だから切り粉の逃げがいい。
厚物をガンガン切ってもカスが詰まらんのです。
だからスパスパ落ちていく。
ただし絶対に守ってほしいことがある。
薄物には使うな。
薄い鉄板や薄肉のパイプ。
そこに粗い刃を当てるとどうなるか。
材料が薄すぎて、3山も当たらない。
一山か二山しか噛まないんです。
そうすると刃が材料に引っ掛かる。
ガクンと食い込む。
その瞬間に刃が持っていかれる。
一発でゴミです。
数千円が数秒で消えます。
コンビ刃は万能やない。
厚物専門やと割り切ってください。
4. 24山:電線管や全ネジ、軽量鉄骨を切るための救世主
じゃあ薄物はどうするか。
そこで24山の出番です。
山が細かいから、薄い材料でも常に3山以上が当たります。
電線管。
全ネジ。
軽量鉄骨。
このあたりを切るなら、24山を選んでください。
一山あたりの負担が小さいから引っ掛かりが起きません。
スーッと入って綺麗に落ちる。
全ネジなんかが分かりやすいですね。
ネジ山の凹凸に粗い刃が引っ掛かると暴れます。
でも細かい刃なら、あの凹凸を撫でるように削っていく。
切り口も潰れません。
軽量鉄骨も同じです。
あの薄さに粗い刃を当てるのは自殺行為なんです。
刃を一本余分に持つのが面倒に思えますよね。
でも数千円の替刃を守るための数百グラムです。
現場に二本積んどく。
それだけで替刃代が何分の一にもなります。
5. 結論:面倒くさがって刃の交換をサボるな
結局のところ、これは知識の話なんです。
数千円の替刃を一日でダメにする人。
同じ替刃を一ヶ月もたせる人。
その差は腕やない。
山数を知ってるかどうかだけです。
薄物を切る時に、粗い刃のまま押し込む。
その一回の面倒くさがりが、替刃一本分の金を溶かします。
刃を交換する手間は、たかだか数分。
替刃を買いに走る時間はその何十倍です。
さらに刃が飛べば、切り口も汚くなる。
やり直しの手間まで乗っかってくる。
面倒くさがるほど、あとで高くつくんですよ。
材料が変わったら刃も替える。
それだけを習慣にしてください。
替刃は消耗品やない。
使い方次第で寿命が何倍にも伸びる、投資の対象なんです。
包丁を研がずに切れんと嘆く料理人はおらんですよね。
道具を知ってる人間だけが、静かにカネを守ります。
本日もご安全に!

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