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「しっかり締めた」フランジボルトが緩んで落ちる理由。対角締めが正解とは限らない締付けの掟

トラックで運んだ配管。
現場に着いたらフランジのボルトが1本落ちてる。

しっかり締めたはずやのに。
その原因は締め方にあるんです。

目次

1. 導入:ボルトが落ちるのは必然や

工場で配管を組み上げる。
それをトラックで現場に運ぶ。

到着して確認したらフランジのボルトが1本抜け落ちてる。
しっかり締めたはずやのになんで。

若手は首をかしげます。
でもあれは魔法でも怪奇現象でもないんです。

一箇所だけを強く締めた。
その結果として起こる必然のトラブルなんです。

一本だけギュッと締める。
すると反対側が浮く。

浮いたボルトは軸力がかかってません。
つまり締まってるようで締まってない。

そこにトラックの振動が延々と加わる。
緩む。
そして落ちる。

締め方の理屈を知らんとこれが必ず起きるんです。

2. フランジは本数で締め方が変わる

まず一番やってはいけないことを言います。
端から順番に円を描くように締めていく。

これが最悪です。
車のタイヤ交換を思い出してください。

ナットを一個だけガチガチに締めたらどうなりますか。
ホイールが傾いて片当たりする。

危なくて走れません。
だから車は対角に締めますよね。

上を締めたら次は下。
フランジも同じ考え方なんです。

一箇所を締め込めば必ず反対側が浮く。
ただしここで正確に言うときます。

全部が対角締めやないんです。
JIS B2251という規格で本数によって手順が決まってます。

ボルトが4本の場合。
これは対角に締めます。

上下左右。
タイヤと同じ発想です。

でもボルトが8本以上になったら変わるんです。
対角にジャンプするんやなくて時計回りか反時計回り。

どちらか同じ方向にぐるっと周回締めしていく。
これが規格で決められた手順なんです。

8本を無理に対角で飛ばすとかえってバラつく。
本数が多い時は一方向に回す方が均等になるんです。

4本は対角。
8本以上は周回。

ここを覚えといてください。

3. 1周で終わるな。段階的に締めるのが掟や

順序がわかってももう一つ大事なことがあります。
1周で終わったらあかんんです。

いきなり本気で締めたらどうなるか。
最初に締めたボルトだけガチガチになる。

そして後から締めるボルトのぶんフランジが動く。
すると最初のボルトが緩むんです。

さっき締めたはずのボルトが緩んでる。
これが片締めの正体です。

だから段階的に締めます。
最初は軽く。

目標トルクの1割か2割で全体を一周。
次に6割くらいでもう一周。

最後に10割で締める。
この段階を踏むから均等に締まるんです。

そして周回数にもちゃんと規定があります。
呼び径が250Aより小さいフランジなら4周。

250A以上なら6周です。
3周でも足りません。

規格は4周からなんです。
面倒くさいと思いますか。

でもこの周回を守るからどのボルトも同じ力で締まる。
一本一本少しずつ。

それが掟なんです。

4. パッキン(ガスケット)の悲鳴を聞け

片締めが引き起こす最悪の事態。
それが水漏れです。

フランジの間にはパッキンが挟まってますよね。
ガスケットです。

一箇所だけ強く締まるとどうなるか。
パッキンが斜めに潰れるんです。

片側だけギュッと潰れて反対側はスカスカ。
均等に密着してない。

そこから漏れます。
そして厄介なのが一度変な形で潰れたパッキンは戻らんことです。

後から気づいて増し締めする。
でももう遅い。

斜めに潰れた形のまま固まってる。
いくら締めても元の平らには戻らんのです。

結局フランジを開けてパッキンを新品に替えるしかない。
だから最初から均等に潰していく意識が要るんです。

そして締めた後必ず確認してください。
フランジ面間の隙間を対角4か所でノギスで測る。

四隅の隙間が揃ってたら均等に締まってる証拠です。
どこか一箇所だけ狭かったら片締めしてます。

目視で終わらせるな。
測って確認するんです。

これがJISにも書いてある片締めの確認方法なんです。
ボルトの締めすぎはSUS管の「かじり」にも繋がります。
金属同士の悲鳴を見逃さない感覚はこっちに書きました。

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5. 結論:締めるという行為は「対話」や

ボルトを締めるという行為は単なる作業やないんです。
金属とパッキンがどう密着していくか。

それを想像しながら均等に圧力をかけていく対話なんです。
4本なら対角。

8本以上なら周回。
そして段階的に規定の周回数だけ回す。

最後に隙間を測って確認する。
もう一つ覚えといてほしいことがあります。

うず巻形のガスケットは幅が狭いぶん片締めしやすい。
仮締めの最後に全ボルトを一度周回して均すんです。

そして本締めが終わった後も油断したらあかん。
ガスケットは時間が経つと少し軸力が落ちます。

応力緩和です。
だから重要なラインでは本締めから4時間以上おいて増し締めすることもあります。

この一手間を惜しむ人間と惜しまない人間。
その差がトラックの振動に負けるか。

水圧に負けるか。
完璧な配管を組めるのはこの対話ができる人間だけなんです。

本日もご安全に!

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この記事を書いた人

手取り9万整備士から、残業120時間超え現場監督まで走ってきた。
そこで一度心が折れて無職に。
底から再出発!机上の空論は書きません。
本日もご安全に。

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