MENU

フォークリフトのやってはいけない使い方を全部やった私が語る。無資格運転が業務上過失致死傷罪になる理由

昔の私はフォークリフトで散々アホなことをやってきました。
今なら口にするのも恥ずかしい使い方ばかりです。

それでも私は無事故で現場を勤め上げました。
運がよかっただけやありません。

危険を危険と分かって乗っていたからです。
時効やと思って今日は懺悔します。

ただし先に言うておきます。
絶対に真似したらあきません。

今日はその話をさせてください。

目次

1. フォークリフトの事故は「運転が下手」で起きるんやない

事故のほとんどは決められた使い方を破った瞬間に起きる

フォークリフトの事故と聞いて何を思いますか。
運転が下手やから起きると思っていませんか。

違います。
まっすぐ荷物を運んでいるだけなら大事故はそうそう起きません。

事故はいつも決まった形で起きるんです。
本来の使い方から外れた瞬間です。

用途外の使い方に手を出したときです。
そこにフォークリフトの一番の落とし穴があります。

ボタンやレバーは誰でも動かせる。だから用途外の使い方に手が伸びる

フォークリフトは操作がやさしい乗り物です。
レバーを倒せば爪が上がる。

アクセルを踏めば前に進む。
特別な力もいりません。

誰でも動かせてしまうんです。
だからこそ怖い。

簡単に動くから人はつい余計なことをやります。
これくらいええやろと用途外に手が伸びるんです。

その気軽さが命取りになります。

2. 時効だから懺悔する。私がやってきたアホな使い方

パレットに人を乗せて高所作業車の代わりにした

一番やったらあかんことをやっていました。
爪に載せたパレットに人を乗せたんです。

そのまま持ち上げて高い所の作業をさせました。
脚立を組むより早いからです。

でもこれは今なら一発でアウトです。
フォークリフトは人を持ち上げる乗り物やないからです。

乗った人間を守るものが何もありません。
少しのはずみで墜落します。

実際にこれで人が亡くなった事例があるんです。
軽い気持ちでやってええことやなかった。

爪に材料を渡してクレーンの代わりに吊って運んだ

もう一つ懺悔します。
爪に材料を渡して物を吊って運びました。

クレーンの代わりです。
これも本来やったらあかん使い方です。

吊った荷は必ず揺れます。
走行の振動でずれる。

滑って落下する。
その下に人がいたら終わりです。

挟まれれば命に関わります。
フォークリフトはそもそも荷を吊る機械やないんです。

物を吊るなら本来はこれの知識が要る。吊り作業の恐怖はこっちに書いた。

あわせて読みたい
「吊った物は必ず落ちる」玉掛けとクレーン作業の恐怖と命を守るための絶対ルール 数トンの鉄の塊が頭の上を飛んでいく。それを見上げながら平気な顔をしている若手がおります。 資格を持ってるから大丈夫やと。その顔を見るたびに背筋が寒くなるんです...

20年30年前の話。今の基準なら一発でアウト。絶対に真似したらあかん

念のためもう一度言います。
これは20年も30年も前の話です。

当時の現場はまだ緩かった。
でも今は違います。

私がやってきたことは今の基準なら一発でアウトです。
だからやり方もコツもここには書きません。

書けば真似する人間が出るからです。
懺悔として事実だけ話しています。

絶対に真似したらあきません。

あわせて読みたい
高所作業車の事故原因は「落下」やない。挟まれ・激突・コード切断を招く”視野”の罠 ボタン一つでカゴがスルスル上がっていく。誰でも操作できてしまう手軽さがあります。 だから多くの人がこう思っています。落ちることにさえ気をつければ安全やと。 そ...

3. それでも私が無事故で来られた理由

事故は起こるものとして考えていた。だから起こさなかった

ここで矛盾を感じた人もいるはずです。
そんな使い方をして無事故なんかと。

理由ははっきりしています。
私は事故は必ず起こるものとして考えていました。

荷は落ちるかもしれん。
爪は下がるかもしれん。

車は横転するかもしれん。
全部起こる前提で身構えていたんです。

起こると思っているから起こさない。
大丈夫やろと思った瞬間が一番危ないんです。

危険を危険と理解している人間だけで作業していた

そしてもう一つあります。
危ない作業をするときは相手を選びました。

危険を危険と分かっている人間だけで組んだんです。
どこが危ないかを全員が理解している。

だから声を掛け合える。
爪の下に入るな。

その一言が自然に出る。
分かっている者同士やから成立していたんです。

一番怖いのは危険を危険と分からずに乗る人間

これは自慢話やありません。
むしろ逆です。

一番怖い人間の話をしたいんです。
それは危険を危険と分からずに乗る人間です。

私のような使い方を見よう見まねで真似する。
でもどこが危ないかを分かっていない。

だから気をつける場所も分からない。
無知は運転の上手さでは埋まりません。

ハンドルがうまくても知らなければ死ぬんです。
そういう人間から順に事故を起こします。

あわせて読みたい
水圧試験の絶望。針の穴から吹き出す高圧の恐怖と「溶接漏れ」を削り直す地獄 組み上がった配管を前にポンプのスイッチを入れる。あの瞬間配管屋は一番胃が痛くなります。 そして若手は平気で管に顔を近づける。今日はその危うさの話をさせてくださ...

4. だから資格が要る。知識が「危険を見える化」する

フォークリフトは最大荷重1トンで資格が分かれる

だから資格が要るんです。
フォークリフトの資格は最大荷重で二つに分かれます。

最大荷重1トン未満なら特別教育です。
学科6時間と実技6時間で構成されています。

そして最大荷重1トン以上なら技能講習になります。
ここで勘違いしやすい点があります。

積んでいる荷の重さやありません。
その機械が持てる最大荷重で決まるんです。

軽い物しか運んでいなくても関係ない。
私有地であっても無資格運転は罰則の対象です。

【フォークリフト特別教育WEBでとるなら・国家資格のSAT】

無資格運転や用途外使用で人身事故を起こせば業務上過失致死傷罪

ここが一番伝えたいところです。
違反には二つの階層があります。

一つ目が労働安全衛生法の違反です。
無資格で運転する。

人を乗せる。
用途外で吊る。

これらは安衛法や規則の違反で事業者が罰せられます。
会社という法人にも罰金が科される仕組みです。

でも話はここで終わりません。
その違反で人が死んだり大怪我をしたらどうなるか。

二つ目の階層が発動します。
刑法の業務上過失致死傷罪です。

5年以下の懲役または禁錮あるいは100万円以下の罰金もありうる罪です。
しかもこれは運転した本人だけやありません。

作業を指示した監督や責任者にも及びます。
そして覚えておいてください。

「会社の指示だった」では免責されません。
用途外使用は単なる社内ルール違反やないんです。

一歩間違えば人を殺す。
殺せば運転者も監督も前科がつく犯罪になるんです。

資格で本当に得るのは操作の上手さやない

最後に大事なことを言います。
資格で本当に得るものは操作の上手さやありません。

何が危険かを知ることです。
なぜ人を乗せたらあかんのか。

なぜ吊り作業が危ないのか。
なぜ高く上げて走ると横転するのか。

その理屈を頭に入れることなんです。
知識だけが無知の穴を埋めます。

そして知識だけが見えない危険を見えるようにするんです。
フォークは道具です。

使い方を分かった人間が握れば頼れる相棒になる。
分からん人間が握れば凶器に変わる。

その分かれ目が知識なんです。
そしてこの知識です。

休日を丸ごと潰して会場で取る必要はもうありません。
賢い取り方はまた次の記事で話します。

本日もご安全に!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

手取り9万整備士から、残業120時間超え現場監督まで走ってきた。
そこで一度心が折れて無職に。
底から再出発!机上の空論は書きません。
本日もご安全に。

コメント

コメントする

目次