型枠を組む段取りに入る。
その時こう思いませんか。
これ届出いるんやったか。
足場と同じ扱いでええんか。
そこで手が止まる人は多いはずです。
実は足場と型枠支保工は基準が別物なんです。
今日はその迷いをきれいに消します。
1. 型枠支保工の届出は「支柱の高さ」で決まる
結論。支柱の高さが3.5m以上なら届出がいる
先に答えを渡します。
型枠支保工の届出は一つの数字で決まります。
支柱の高さです。
支柱の高さが3.5m以上なら届出がいるんです。
ここで大事な注意があります。
これは建物の階高やありません。
あくまで型枠を支える支柱そのものの高さです。
階高が3.5mを超えているかで判断したらあかん。
支柱の高さで測るんです。
3.6mでも超えていれば対象になります。
測り方にも注意が要ります。
支保工は面で広がるので場所によって高さが変わる。
一部だけ床が下がって支柱が高くなることもある。
その一番高い所で3.5mを超えたら対象です。
平均やなく最大の高さで見るんです。
足場は10mやったけど型枠支保工は3.5m。基準が違うから混同するな
ここが一番混同しやすいところです。
足場の届出は高さ10m以上が基準でした。
でも型枠支保工は支柱3.5m以上で判断します。
数字がまるで違うんです。
しかももう一つ大きな違いがあります。
足場には設置60日以上という期間の条件がありました。
でも型枠支保工にはこの期間の条件がありません。
短期間でも支柱が3.5m以上なら対象です。
短いから要らんやろは通用しません。
打設のときに支柱へ大きな荷重がかかるからです。
足場の感覚をそのまま持ち込むと間違えます。
足場の設置届は基準も期間の条件も違う。こっちにまとめた。

2. 根拠は88条。書類は機械等設置届(様式20号)
足場と同じ労働安全衛生法88条の機械等設置届が正体や
基準は違いますが制度の根っこは足場と同じです。
根拠は労働安全衛生法第88条です。
現場でよく言う88条申請ですね。
正式には計画の届出と呼ばれます。
出す書類も足場と同じです。
機械等設置・移転・変更届の様式第20号を使います。
だから足場の届出を出したことがある人なら。
書類の流れ自体は同じやと分かるはずです。
違うのは判断する数字だけです。
足場は10m型枠支保工は3.5mと覚えておく。
出すのは工事を仕切る側です。
つまり元請の立場の会社が届け出ます。
自分が下請なら誰が出すかを先に確認しておく。
そこが曖昧やと出し忘れの温床になります。
そもそも誰が元請で誰が届出を出す立場なのかが曖昧な人はこっちを先に読んでほしい。

提出は工事開始の30日前まで。所轄の労働基準監督署へ出す
期限も足場と同じです。
提出は工事開始の30日前までです。
出す先は所轄の労働基準監督署長になります。
ここでいう開始日は現場全体の着工日やない。
その型枠支保工を組み始める日です。
30日前と聞くと余裕がありそうに感じます。
でも強度計算書や組立図をそろえると案外ギリギリです。
支柱の応力計算まで添付する必要があるからです。
計画を作る有資格者を参画させる決まりもあります。
だから期限から逆算して早めに動くんです。
足場より計算書の作り込みが要る分だけ重い。
甘く見て後回しにすると必ず慌てます。
今は電子申請が推奨されてる
昔は紙で労基署まで走っていました。
でも今は違います。
厚生労働省が電子申請を案内しています。
今はこの電子申請が推奨されているんです。
パソコンから出せるので移動の手間が減る。
控えもデータで残るから後で探しやすいんです。
3. 一番の落とし穴。届出と「作業主任者の選任」は別物や
設置届を出しても作業主任者を選ばな現場は回らん
ここが読者が一番混同するところです。
設置届を出したら全部終わりやと思いがちです。
でも違います。
設置届と作業主任者の選任は全く別の制度なんです。
届出は行政へ計画を出す手続きです。
作業主任者は現場で作業を直接指揮する人です。
役割がまるで違います。
だから届出を出しても作業主任者は別に要るんです。
片方をやったからもう片方は免除。
そんな都合のいい話はないんです。
型枠支保工の組立て等作業主任者の選任は届出とは完全に別の制度
はっきり整理します。
根拠になる条文も別です。
作業主任者は労働安全衛生法第14条に基づきます。
型枠支保工の組立てや解体の作業をするとき。
事業者は型枠支保工の組立て等作業主任者を選任せなあきません。
これは技能講習を修了した人の中から選びます。
そしてその人の直接指揮で作業させる決まりです。
ここには高さの数字は関係ありません。
組立てや解体の作業そのものに選任義務がかかるんです。
だから88条の届出を出したから作業主任者は要らん。
これは完全に間違いなんです。
現場でよくあるのがこの取り違えです。
届出は出したのに作業主任者を立て忘れる。
逆に主任者はいるのに届出を出し忘れる。
どちらか片方だけでは穴が空くんです。
二つは車の両輪やと思ってください。
片輪だけでは前へ進めません。
両方そろって初めて現場が安全に回るんです。
4. 支保工が倒れたら一発で終わる。だから届出がある
生コンの重さを支える支柱。ここが崩れたら下は無事では済まん
なぜここまで厳しく決められているのか。
型枠支保工が支えるものを考えてください。
まだ固まっていない生コンの重さです。
型枠も鉄筋も作業員も全部この支柱が支えています。
打設の瞬間はとてつもない荷重がかかる。
その支柱が崩れたらどうなるか。
上のコンクリートが一気に落ちてきます。
下にいる人間は無事では済みません。
だからこそ事前に計画を確認する届出があるんです。
組んでからでは確認しても遅い。
崩れる前に止めるための仕組みなんです。
過去には支保工の倒壊で痛ましい事故も起きています。
だから行政も事前の確認を重く見ているんです。
届出は現場の命を守る最初のボタン。誰がいつ出すか最初に決めとけ
届出はただの紙仕事やありません。
現場の命を守る最初のボタンです。
そして怖いのが出し忘れです。
届出を怠ると是正指導の対象になりうるんです。
工事が止まって段取りが全部ずれる。
慌てて出しても30日前には間に合いません。
そうなると工程を丸ごと組み直すことになる。
一枚の遅れが現場全体を止めるんです。
だから最初に決めておくことです。
誰がいつこの届出を出すのか。
そして作業主任者は誰を選ぶのか。
その二つを工程の頭で握っておくんです。
そこを詰めておけば現場は止まりません。
最初の一手間が全部を守るんです。
型枠支保工は建物を産むときの背骨やと思うんです。
背骨が一瞬でも折れたら全部が崩れ落ちる。
その背骨を組む前に一枚の計画を出す。
たったそれだけで背骨は折れにくくなるんです。
面倒がらずに先に出しておいてください。
本日もご安全に!

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