現場でよく見るあのパイプの骨組み。
天井をびっしり支えているやつです。
支保工やろとは分かる。
でも正確には何やと聞かれると詰まりませんか。
私も昔はあの骨組みを何となく見ていました。
本当の怖さを知ったのは打設を回してからです。
今日はその足元の骨組みの正体を確かめます。
1. 型枠支保工とは。あのパイプの骨組みの正体
結論。固まる前の生コンと型枠を下から支える仮設の骨組みや
先に答えを渡します。
型枠支保工とは固まる前の生コンと型枠を下から支える仮設の支持構造物です。
コンクリートを流し込む型枠。
その型枠と中の生コンはとんでもなく重い。
それを下からしっかり支える骨組み。
それが型枠支保工なんです。
コンクリートが固まるまでの間だけの仮設です。
だから支保工という名前がついています。
支えて保つための工事で支保工です。
名前が役割をそのまま表しているんです。
そもそも現場で誰が何を担うのか構造が曖昧な人はこっちを先に読んでほしい。

支柱や大引や根太で組む。コンクリートが固まるまでの命綱や
では何で組まれているのか。
主役は支柱です。
パイプサポートと呼ばれる鋼管の柱ですね。
それを何本も立てて上の荷重を受けます。
その上に大引や根太を渡していく。
面で型枠を支える骨組みを作るんです。
この骨組みがコンクリートが固まるまでの命綱です。
固まって自立するまで一時も気を抜けません。
支柱一本一本が上の重さを分け合っています。
どれか一本が抜けても全体が崩れかねません。
だからバランスよく立てて固定するんです。
一本が受け持つ荷重は想像以上に大きい。
だから座屈しないよう筋交いで固めるんです。
2. なぜ必要か。生コンは水みたいに重くて型枠を押し広げる
固まる前の生コンは重い。しかも型枠を外へ押す側圧がかかる
なぜここまで頑丈に支えるのか。
固まる前の生コンを甘く見たらあかんからです。
固まる前の生コンは水よりずっと重い液体です。
それが型枠の中にどっと流れ込む。
しかも厄介なのが側圧です。
生コンは型枠を外側へ押し広げようとします。
下へ落ちる重さと横へ広がる側圧。
この二つが同時に型枠支保工へのしかかるんです。
だから下から支えるだけでは足りません。
横に広がろうとする力にも耐える必要があります。
生コンは打ち込むほど下に圧が溜まります。
だから下ほど側圧は大きくなるんです。
支保工の足元こそしっかり固める理由がここにあります。
それを支えきれず倒れたら生き埋めや。だから厳しく管理される
もしこの支保工が支えきれなかったら。
考えるだけで背筋が寒くなります。
支保工が倒壊すれば上の生コンが一気に落ちてくる。
下で作業していた人間は生き埋めになります。
打設中の支保工倒壊は最悪の重大災害です。
一瞬で複数の命が奪われることもある。
だから法令で厳しく管理されているんです。
資格も届出も念には念を入れた仕組みなんです。
3. 型枠支保工に必要な資格と届出
組立て解体には型枠支保工の組立て等作業主任者の選任がいる
まず資格の話です。
型枠支保工の組立てや解体の作業をするとき。
型枠支保工の組立て等作業主任者の選任が必要です。
これは技能講習を修了した人の中から選びます。
そしてその人の直接指揮で作業させる決まりです。
組立ても解体も勝手にやったらあかんのです。
なぜここまで人を縛るのか。
組む段階と外す段階が一番危ないからです。
組んでいる途中はまだ骨組みが不安定です。
外すときは上に重いコンクリートが載っている。
どちらも一つ間違えば命に関わるんです。
支柱の高さ3.5m以上なら88条の設置届もいる
もう一つが届出です。
資格とは別にこちらも要ります。
支柱の高さが3.5m以上なら88条の設置届が必要です。
労働安全衛生法88条の機械等設置届ですね。
作業主任者の選任とこの設置届は全く別の制度です。
片方をやったからもう片方が要らんわけやない。
両方そろえて初めて筋が通るんです。
どちらか一方だけでは片手落ちです。
資格と届出はセットで押さえておくんです。
支柱3.5m以上の型枠支保工は労基署への設置届がいる。その条件はこっちにまとめた。

4. 見えなくなる骨組みほど手を抜けない
コンクリートに隠れて見えなくなるからこそ組む時が勝負や
型枠支保工には切ない宿命があります。
コンクリートが固まれば見えなくなるんです。
打設が終われば型枠を外す。
支保工も役目を終えて撤去されます。
後に残るのはきれいなコンクリートだけ。
あれだけ苦労して組んだ骨組みは表に出ません。
でも見えなくなるからこそ組む時が勝負です。
隠れる前の一手が全ての安全を決めるんです。
ついでにもう一つ大事な管理があります。
コンクリートが必要な強度に達するまで支保工は外さない。
早く外したら固まりきる前に崩れます。
この存置の管理も支保工の仕事のうちなんです。
なお強度が出るまでの日数は気温やセメントで変わります。
だから決まった日数を鵜呑みにせず基準で判断するんです。
見えなくなる仕事ほど誠実さが問われます。
誰も見ていないところを丁寧にやれるか。
それが職人の本当の腕の見せどころなんです。
その積み重ねが現場全体の信頼になります。
見えん仕事こそ自分の誇りにできるんです。
正体と怖さを知ると支保工の見え方が変わる
そして正体と怖さを知ると見え方が変わります。
今まで何となく見ていたあのパイプの林。
それが何百トンもの生コンを支える砦やと分かる。
すると一本の支柱の傾きも見逃せなくなります。
このサポートはちゃんと締まっているか。
根元は沈んでいないか。
組んだ本人しか気づけない緩みもあります。
だからこそ組む人間の責任は重いんです。
見えないからこそ手を抜かない。
それができる人間が本当のプロなんです。
その正体を知る目が事故を防ぐんです。
型枠支保工は舞台裏の黒子やと思うんです。
本番が終われば誰の記憶にも残りません。
でも黒子が支えを外せば舞台は崩れ落ちる。
表に出ない骨組みほど本当は一番の主役なんです。
その主役の正体を知って現場に立ってください。
本日もご安全に!

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