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「倒れたら迷わずホースで水をぶっかけろ」熱中症対策のリアルと現場の絶対ルール

顔を真っ赤にした若いのが日陰でしゃがみ込んでいる。
大丈夫か聞いたら大丈夫と返す。

その大丈夫を鵜呑みにした数分が人の脳を茹で上げるんです。
今日はその話をさせてください。

目次

1. ただの体調不良やない。熱中症は脳を茹でる殺人鬼や

夏の現場は文字通り命がけです。
特に風の抜けん現場やタンクの中は逃げ場がありません。

そこで熱中症は一瞬で牙を剥きます。
やっかいなのは体力自慢の人間ほど危ないことです。

自分は体力があるから大丈夫。
これぐらいの暑さで倒れるかいな。

そう舐めてる奴ほど我慢を重ねて限界まで気づかない。
そして気づいたときには手遅れになっているんです。

熱中症というのはただバテるだけの話やない。
体温を調節する仕組みそのものが壊れる病気です。

汗が出なくなり体に熱がこもる。
深部体温がぐんぐん上がっていく。

その熱が脳や内臓を内側から焼いていくんです。
軽いめまいや立ちくらみから始まります。

それを放っておくと頭痛や吐き気に進む。
最後は呼びかけに反応せず意識が飛ぶ。

ここまでいくと命に関わる最重症です。
脳が茹で上がってしまえば後遺症も残ります。

決して大げさな話やない。
令和6年の一年間だけで職場の熱中症で死傷した人は1257人もいます。

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これは休業4日以上の重いものだけを数えた数字です。
それだけの人間が毎年現場で倒れているんです。

2. 現場の備えと常備品。水だけ飲んで安心するな

私の現場では常備させているものがあります。
塩飴と経口補水液。

そして叩いたら冷えるアイスパックです。
これを夏場は必ず現場に置いておく。

ここで一番言いたいことがあります。
水だけ飲んで安心するなということです。

汗をかくと体からは水と一緒に塩分が抜けていきます。
そこへ水だけをがぶがぶ入れるとどうなるか。

体の中の塩分濃度がさらに薄まるんです。
これが低ナトリウム血症です。

足がつったり気持ち悪くなったりする。
ひどいと痙攣を起こすこともある。

水を飲んでるのに倒れる人間はこれなんです。
だから水分と塩分は同時に入れなあかん。

その点で一番頼りになるのが経口補水液です。
これはスポーツドリンクよりナトリウムの濃度が高く作られています。

汗で塩分が抜けた体に一番合うんです。
喉が渇いてから飲むのでは遅い。

渇く前にこまめに入れておく。
これが夏を乗り切る基本です。

そしてもう一つ数字で覚えておいてほしいことがあります。
暑さ指数のWBGTが28度を超えたら厳重警戒。

気温なら31度が一つの危険ラインです。
この数字を超える現場は熱中症がいつ出てもおかしくない。

そこを頭に入れて動くだけで身構え方が変わるんです。

3. 究極のルール「倒れたらホースで水をぶっかけろ」

ここが今日一番叩き込みたいことです。
目の前で仲間が倒れた。

そのときあんたはどう動きますか。
綺麗な休憩所まで運ぼうとする。

冷やす物を遠くの詰所まで取りに走る。
これが素人の動きなんです。

その運んでいる数分。
取りに行っている数分。

その数分で脳が壊れていくんです。
熱中症で倒れた体はとにかく一秒でも早く冷やすことが全てです。

診療ガイドラインでもはっきり示されています。
冷やすことは病院へ運ぶことより優先されると。

救急車を待つ間に一秒でも早く体温を下げる。
それが救命の分かれ道なんです。

だから正解はこうです。
倒れたその場に寝かせる。

服なんか脱がせてる暇はいりません。
着たままでええからホースで全身に水をジャーッとかけ続ける。

びしょびしょにして体の表面から一気に熱を奪うんです。
水をかけてうちわや風で扇げばさらに冷える。

そして重点的に冷やす場所があります。
首。

脇の下。
股の付け根です。

ここには太い血管が通っています。
冷やした血が体を回って深部体温をぐっと下げてくれるんです。

ただしここで絶対に守ってほしい線引きがあります。
意識のない相手に水を飲ませたらあかん。

ぼんやりしている相手も同じです。
口から入れた水が気管に流れ込む。

これを誤嚥といいます。
最悪そのまま窒息するんです。

外から水をかけて冷やすのはいい。
でも口から水を入れるのは意識がはっきりしている相手だけや。

ここを混同したら助けるつもりが殺してしまう。
そして冷やしながら必ず救急車を呼ぶ。

冷やすことと呼ぶことは同時にやるんです。
どちらかを後回しにしたらあかんのです。

4. なぜそれをやるのか。仕組みを教える労働衛生教育

ここまで読んで気づいた人もいるはずです。
塩分がなぜ要るのか。

なぜその場で急速冷却するのか。
誤嚥がなぜ怖いのか。

この理屈を知らんと緊急時に体は動きません。
人はとっさのとき知っていることしかできないんです。

だからこそ熱中症予防労働衛生教育が要る。
仕組みを頭で理解して初めて手が動くんです。

そしてこれはもう個人の心がけの話やなくなりました。
2025年6月から法律が変わっています。

改正された労働安全衛生規則で熱中症対策が事業者の義務になったんです。
しかも罰則付きです。

暑さ指数28度以上あるいは気温31度以上。
そこで一定時間を超える作業をさせる現場が対象です。

事業者は熱中症の報告体制を整える。
そして倒れたときの措置手順を作って全員に周知する。

これが義務として課されたんです。
つまり手順を全員が知っておくことはもう努力目標やない。

現場のルールとして当たり前に求められる時代になったんです。

知識がない奴は現場で仲間を殺す。
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5. 熱中症は自然災害。準備した現場だけが全員で帰れる

熱中症は自然災害と同じやと私は思います。
台風が来ると分かっていて養生せん現場はありません。

熱中症も夏になれば必ず来ると分かっている災害です。
なのに備えん現場が多すぎるんです。

塩分とアイスパックを常備する。
WBGTの数字を毎日見る。

倒れたらその場でホースで冷やす。
意識のない相手に水は飲ませない。

冷やすと同時に救急車を呼ぶ。
この一つ一つが仲間の命を繋ぎます。

そして全部が知識で回っているんです。
知識のある現場は誰も死なせません。

知識のない現場は毎年誰かを担架で運ぶ。
その差は生まれつきの体力やない。

準備と知識の差なんです。
消火器と同じやと思ってください。

火が出てから慌てて買いに走る人間はおらんでしょう。
先に備えて使い方を知っておくから火を消せるんです。

熱中症の知識も全く同じ。
倒れてから探すのでは遅い。

夏が来る前に頭に入れておく。
それが今日も仲間全員で無事に家へ帰る唯一の道なんです。

本日もご安全に!

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この記事を書いた人

手取り9万整備士から、残業120時間超え現場監督まで走ってきた。
そこで一度心が折れて無職に。
底から再出発!机上の空論は書きません。
本日もご安全に。

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