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開先とは?V・レ・K開先の違いと強度で変わる取り方を元溶接工が現場目線で解説

図面を広げたら「開先」という指示が入っていた。
読み方も意味も分からんまま手が止まった。

溶接を覚えたての頃は誰でも一度はここで詰まります。
私も見習いの頃はまったく同じところでつまずきました。

開先はやってしまえば難しい話やないです。
最初は「何のためにこの溝を削るんや」というところが見えにくいだけなんです。

目次

開先とは?厚い材料を溶かし込むために継手に取る溝のこと

開先とは何か。
開先とは溶接するために継手の端部へ設ける溝や形状のことです。

厚い材料などで必要な溶込みを得たいときがあります。
そのときは端を斜めに加工して溶接できる空間を作ります。

板厚や溶接方法によってはそのままの継手では、必要な溶込みを得にくいことがあります。
開先を設けることでルート部を含めて、必要な溶込みを得るための施工がしやすくなるんです。

開先を省くか形を変えるかを製作側で勝手に決めることはしません。
図面や施工要領などの指示を確認します。

開先は何のために取るのか

板が薄ければ開先なしでも必要な溶込みが得られる場合があります。
板が厚くなるほどそのままの継手では溶込みを得にくくなることがあります。

そこで継手の端に開先を設けます。
開先があればルート部を含めて必要な溶込みを得るための施工がしやすくなります。

どこまで溶かし込むかは継手によって違います。
全体を溶かし込む場合もあれば、ルート部に溶けない部分を残す部分溶込みの継手もあるんです。

開先は必要な溶込みを得るための形。
そう押さえておけば役割を見失うことはありません。

開先を取るか取らないかは誰が決めるのか

ここは大事なところです。
開先を取るか取らないかは溶接する側が現場で勝手に決めることやないです。

開先の形状や条件は図面や施工要領などで指示されます。
その指示に従って加工します。

私が開先を扱っていた頃も同じでした。
図面の指示どおりに取る。
自分の感覚で「ここは開先いらんやろ」と省いたりはしません。

迷ったら図面を確認する。
それでも分からなければ設計に確認する。

勝手な判断で省いたり形を変えたりするのがいちばんあかんのです。

V開先・レ開先・K開先の違いとは?

開先には形がいくつもあります。
図面でよく出てくるのがV開先、レ開先、K開先の三つです。

開先にはほかにもI形やX形やU形などがあります。
この記事では入口として押さえてほしいV・レ・Kだけを扱います。

まず形の違いをざっと表で見てください。

開先の種類端部の形
V形開先突き合わせる両方の部材の端を斜めに削ってV字にする
レ形開先一方の部材側に開先面を設ける
K形開先一方の部材側に両面から開先を設けて断面がK形に見える

表だけ見ても最初はピンとこんと思います。
一つずつ形を見ていきます。

V開先とはどんな開先か

V開先はいちばん基本の形です。
突き合わせる両方の部材の端を斜めに削ってV字の溝を作ります。

断面がVの字に開いています。
名前のとおりの形なんです。

突合せ継手などで使われる代表的な開先形状です。
図面で開先といえばまずこの形を思い浮かべる人が多いはずです。

レ開先・K開先は何が違うのか

レ開先はV開先の片側だけを削ったような形です。
一方の部材側に開先面を設ける形です。

断面がカタカナのレに似ています。
それでレ開先と呼びます。

K開先はもう一段違います。
一方の部材側に両面から開先を設けて断面がK形に見える形です。

V・レ・Kでは継手端部の削り方が違います。
細かい形は図面で確認してください。

どの開先を使うかは何で決まるのか

ではどの開先を選ぶのか。
これも溶接する側が決めることやないです。

材質。
板厚。
溶接方法。
継手の形。

必要な開先形状や寸法は材質や板厚や溶接方法や適用する基準などによって変わります。
ここを自分の思い込みで判断したらあかん。

迷ったら設計に確認する。
開先の種類も最後は図面の指示に従うのが基本です。

開先はどうやって加工する?ガス・グラインダー・機械加工の使い分け

開先の削り方にもいくつか手段があります。
私がいた現場ではガス、グラインダー、機械加工を使い分けていました。

要求される形状や精度などを見ながら手段を選んでいました。
どれか一つで全部やるわけやないんです。

ガスで開先を取るのはどんなときか

ガス切断で開先を取ることがあります。
私がいた現場では厚い板の端部を加工するときにガスを使うこともありました。

火気を使う作業です。
現場の資格要件や作業手順に従うのが前提になります。

切り方そのもののコツは別の記事にまとめています。

開先をガスで取るときの切り方のコツはこの記事にまとめています

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グラインダー仕上げの部位でも開先は要るのか

ここは私が図面を扱っていて感じたことです。
図面にはG仕上げの指示がある部位があります。

グラインダーで表面をきれいに整える部位ですね。
私が扱った図面ではG仕上げの指示がある部位でも、別に開先が指示されているものがありました。

仕上げの指示と開先の指示は別ものです。
仕上げ方法と開先の有無はそれぞれの指示として確認します。

機械加工や開先加工機はどう使うのか

要求される開先形状や精度によっては機械加工で開先を作る場合もあります。
形をきっちり作りたいときの手段のひとつです。

開先加工機という専用の機械もあります。
私がいた現場ではこの開先加工機は外注さんが使っていました。

私自身が開先加工機を回した経験はありません。
だから操作の細かい話まではできません。

こういう機械で開先を作る流れがあると頭に入れておいて損はないです。

開先で失敗しないために気をつけること

開先は取れば終わりやないです。
取り方をしくじると後の溶接が一気にしんどくなります。

私自身がやらかした話をひとつします。

開先角度を広く取りすぎるとどうなるのか

見習いの頃に開先を広く取りすぎたことがあります。
溝が大きく開くくらいまで削ってしまいました。

私が開先を広く取りすぎたときは埋める量が増えて、溶接がめちゃくちゃ大変になりました。
盛る手間も増えて時間も食いました。

開先断面が大きくなれば必要な溶着金属量が増える場合があります。
早く終わらせるつもりが逆に遅くなったんです。

開先は広ければええというものやない。
そう身にしみました。

開先と歪み・入熱にはどんな関係があるのか

開先の大きさは後の溶接の負担にもつながります。
溝が大きいほど埋める溶接金属の量が増えるからです。

開先が必要以上に大きいと埋める溶接金属の量やパス数が増えることがあります。
そのぶん溶接による熱影響や変形への配慮も増えます。

溶接で入れる熱の量そのものは電流や電圧や溶接速度などから扱う量です。
開先が広いというだけで自動的に決まるわけやないんです。

だから開先は大きけりゃええわけやない。
必要な分だけ正確に取るのが後の溶接を楽にします。

溶接で熱が入るとなぜ歪むのかはこの記事で解説しています

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まとめ

開先の話をぎゅっとまとめます。

開先は溶接するために継手の端部へ設ける溝や形状です。
必要な溶込みや施工条件に合わせて形状が決められます。

開先にはいくつもの形があります。
この記事ではV開先、レ開先、K開先を取り上げました。

私がいた現場では要求される形状や精度に合わせて、ガスやグラインダーや機械加工を使い分けていました。
加工の手段はいくつもあるということです。

そして製作側で勝手に形を変えず図面や施工要領などの指示を確認します。
これが開先とつきあう基本です。

ここだけ押さえておけば図面の開先指示でもう手は止まりません。

図面の中で開先がどんな記号で指示されるかはこの記事でまとめています

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開先は削れば削るほどええものやないです。
必要なところに必要なだけ取る。

図面が求める形をきっちり取る。
それが結局いちばん確実で無理のない近道になります。

本日もご安全に!

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この記事を書いた人

手取り9万整備士から、残業120時間超え現場監督まで走ってきた。
そこで一度心が折れて無職に。
底から再出発!机上の空論は書きません。
本日もご安全に。

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