工場の天井を走るクレーン。
毎日当たり前に使っています。
でもあのクレーンを誰が点検しているか考えたことはありますか。
点検を忘れたクレーンはある日突然牙をむきます。
今日はその話をさせてください。
1. 天井クレーンの定期自主検査は事業者の義務や
天井クレーンには月例点検と年次点検が法律で義務づけられている
先に結論を言います。
天井クレーンの点検は事業者の法的な義務です。
気が向いたらやるものやありません。
クレーン等安全規則で決まっています。
点検には二つあります。
1か月以内ごとに1回の月例自主検査。
そして1年以内ごとに1回の年次自主検査です。
つり上げ荷重0.5トン以上のクレーンが対象になります。
さらに検査の結果は3年間の保存も義務づけられています。
やって終わりやなく記録まで残すんです。
点検を怠ったクレーンは、ある日突然牙をむく
なぜここまで厳しく決められているのか。
クレーンは数トンを頭上で運ぶ機械やからです。
ワイヤーは少しずつ傷んでいきます。
ブレーキも少しずつ効きが甘くなる。
その劣化は目立ちません。
昨日まで平気やったから今日も平気やろ。
その油断が一番危ない。
点検で見るのはワイヤーの傷やフックの摩耗。
ブレーキや安全装置の効き。
配線や集電装置の異常です。
どれも命に直結する部分ばかりです。
点検を怠ったクレーンはある日突然ワイヤーが切れます。
頭上から数トンが落ちてくるんです。
点検は事故を未然に止める最後の砦なんです。
2. この「安全教育」はどういう位置づけか
就業制限のある特別教育や技能講習とは違う
ここで大事なことを正確に言います。
点検を行う人間に法定の資格は課されていません。
玉掛けやクレーン運転のような就業制限とは違うんです。
つまりこの資格がないと点検が違法になるわけやない。
ここは勘違いしないでください。
検査そのものは義務。
でも検査する人の資格は法で縛られていない。
この二つを分けて理解することが大事なんです。
だが受けておくと点検の質がまるで変わる
ではなぜ教育があるのか。
天井クレーンの定期自主検査者安全教育というものがあります。
これは厚生労働省の要領にもとづいて勧奨されている教育です。
義務やなく受けることが望ましいという位置づけです。
でも受けておくと点検の質がまるで変わります。
どこを見るのか。
何が異常のサインなのか。
それを体系立てて教われるからです。
天井クレーンの構造や点検方法を体系立てて学べるのが一番の価値や
一番の価値はここです。
クレーンの構造そのものを学べるんです。
どういう仕組みで巻き上げているのか。
どこに力が集中するのか。
その理屈が分かると点検の目が変わります。
なんとなく見るのと理由が分かって見るのは天と地の差です。
一般向けにWEBで受けられるコースはほぼありません。
日本クレーン協会などの対面講習が基本になります。
3. 私はこれを受けて自社のクレーンを点検できるようになった
どこを見るのか、何が異常のサインなのか。教育で初めて言葉になった
私もこの教育を受けました。
受けて一番よかったのは点検が言葉になったことです。
それまでもなんとなく見てはいました。
でも何を見ているのか説明できなかった。
教育のあとは違います。
このワイヤーの素線切れは何本で交換なのか。
このブレーキの遊びは許容範囲なのか。
判断に根拠がつきました。
感覚が知識に変わったんです。
外注ばかりに頼らず自社で一次点検ができると、設備保全がぐっと強くなる
これが会社にとって大きいんです。
点検を全部外注に頼る会社は多い。
でも自社で一次点検ができるとどうなるか。
日々の小さな異常を自分で拾えるようになります。
年次の本格点検を待たずに芽を摘める。
設備保全がぐっと強くなるんです。
外注は年に数回。
でも自社の目は毎日そこにあります。
会社の設備を守る側に回りたい人には本当に役立つ
だからこの教育は保全に回りたい人に効きます。
運転するだけの人間から一歩進む。
設備を守る側の人間になれるんです。
機械の異常を先に見つけられる人間は現場でどこでも必要とされます。
4. 設備を守る人間になりたいなら取っておけ
運転する資格と、点検する資格は役割が違う。両方分かる人間は重宝される
最後に伝えたいことを書きます。
クレーンには運転する資格と点検する教育があります。
この二つは役割がまるで違います。
運転は動かして仕事をする側。
点検は機械を守る側です。
天井クレーンを運転する側の資格の話はこっちに書いた。

そして両方が分かる人間は現場で本当に重宝されます。
動かせるだけやない。
守ることもできる。
医者と同じやと思うんです。
薬を出すだけやなく体の中を診て異常を見つけられる医者が信頼されます。
クレーンも同じ。
動かすだけやなく異常を診られる人間が現場を支えるんです。
守る目を持った人間になってください。
本日もご安全に!

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