MENU

塩ビ管が水圧で「すっぽ抜ける」恐怖。途中で止まる絶望とHIボンドを間違える三流のやらかし

塩ビの接着なんてボンド塗って挿すだけやろ。
そう思ってませんか。

その認識のまま組んだ配管が通水で音を立てて抜けます。
今日はその話をさせてください。

目次

1. 導入:塩ビの接着は「溶着」や。化学反応なんや

塩ビ管の接着は一見すると子供の工作みたいに見えます。
管にボンドを塗る。
継手に挿す。
それだけ。

簡単そうですよね。
だからこそ舐めてかかる若手が多いんです。

適当にボンドを塗って突っ込む。
そして通水テストで水圧に負ける。

ドカンとすっぽ抜ける。
あれは単なる不注意やないんです。

理屈をわかってへんから起きるんです。
塩ビの接着剤は糊やありません。

あれは管の表面を溶かして一体化させる溶剤なんです。
だから正式には接着やなくて溶着と言います。

TS継手のTSも溶着を意味する英語から来てます。
管の表面と継手の表面。

その両方を溶剤で溶かして分子レベルで融合させる。
冷えて固まったらもう元は一つの塊です。

これは化学反応なんです。
糊でくっつけてるんやない。

その理屈がわかってへん人間がすっぽ抜けを起こすんです。
鉄管のねじ込みでも理屈を知らない人間はシールテープを親の仇のように巻いて漏らします。
テープの巻き方の極意はこっちです。

あわせて読みたい
シールテープを「親の仇」のように巻く三流。鉄管の水漏れを防ぐ「1山空け」とヘルメの極意 通水テストで水がジワッと滲む。その瞬間の血の気が引く感じわかりますよね。 だから若手はテープを雪だるまみたいに巻くんです。でもそれが逆に漏らしてるんです。 1. ...

2. 途中で止まる恐怖と「一気差し」の鉄則

一番多い失敗がこれです。
最後まで差し込めずに途中で止まる。

なんで止まるか。
面取りをサボったから。
斜めに入れたから。

継手はテーパになってます。
奥に行くほど締まっていく構造です。

そこに管を面取りせずに突っ込む。
斜めに入れる。

すると途中で引っかかるんです。
ここからが地獄です。

塩ビのボンドは表面を溶かしてますよね。
溶けた表面同士は急速に固まり始めます。

つまり一度止まったらそこで一瞬にして固着するんです。
抜けもせん。
奥にも入らん。

中途半端な位置で完全にロックされる。
こうなったらやり直しはできません。

溶着した継手は二度と外れないんです。
その継手ごと切り落とすしかない。

材料も無駄になる。
時間も飛ぶ。

だから鉄則があります。
真っ直ぐ。
一気に。
一番奥まで迷わず差し込む。

途中で止めるな。
そのために必ず面取りをする。

管の切り口の角をヤスリで軽く落としておく。
これだけでスッと奥まで入るんです。

面取りの数十秒をサボって継手一個をゴミにする。
割に合わんですよね。

3. 保持は「規定秒数」を守った上で「反発」を消せ

差し込んだ後の話です。
塩ビは差し込んだ瞬間に跳ね返ってくるんです。

溶けた表面の反発。
テーパの締め付け。

これで管がジワッと押し戻される。
この戻りを手で押さえ込むのが保持です。

ここで若手はすぐ手を離すんです。
挿したからもうええやろと。

そして数ミリ戻る。
その数ミリが溶着面積を減らす。

強度が落ちて水圧で抜けるんです。
じゃあ何秒押さえるか。

メーカーがちゃんと数字を出してます。
TS継手なら呼び径50以下で夏も冬も30秒以上。

呼び径65以上なら夏で1分以上冬で2分以上です。
冬は溶剤が乾きにくいから長めに要る。

この規定秒数は絶対に守ってください。
その上で手の感覚も使うんです。

押さえてる間反発が返ってきますよね。
その反発がだんだん弱まっていく。

規定時間を過ぎて手に返ってくる力が消えた。
そこで初めて手を離す。

規定秒数は最低ライン。
反発が消える感覚はその確認。

この両方で判断するんです。
秒数だけでも感覚だけでもあかんのです。

4. HI管と普通のボンドの違いを知らない無知

もう一つ致命的な間違いがあります。
接着剤の取り違えです。

塩ビ管には種類があります。
灰色のVP管。

これがTS継手と組みます。
そして暗青色のHIVP管。

耐衝撃性硬質塩化ビニル管です。
これはHITS継手と組みます。

見た目の色が違いますよね。
灰色か暗青色か。

材質が違うから使う接着剤も違うんです。
タフダインで言えばVP用とHI用がある。

VP管にはVP用。
HI管にはHI用。

これを取り違えたらどうなるか。
材質と溶剤の相性が合わん。

十分な溶着強度が絶対に出ないんです。
見た目はくっついてます。

その日は問題なく見える。
でも溶着が甘い。

だから後で圧に負けて抜ける。
現場にあるボンドを何も考えずに使う。

色も確認せん。
それはプロとして失格なんです。

そして給水や水道の配管ならもう一つ条件があります。
日本水道協会規格JWWA S101に準拠した専用接着剤を使う。

飲み水が通る管です。
そのへんの汎用ボンドで済ませたらあかんのです。

管の色を見る。
継手の種類を確認する。

そしてそれに合った接着剤を選ぶ。
基本ですよね。

5. 結論:養生時間を守れ。それが最後の砦や

塩ビの接着は化学反応です。
面取りをする。

ボンドを均一に塗る。
真っ直ぐ一気に一番奥まで刺す。

規定秒数反発が消えるまで押さえる。
管の色に合った接着剤を使う。

ここまでやってまだ終わりやないんです。
一番見落とされるのが養生時間です。

接着が終わってから最低24時間以上おいてから通水する。
メーカーがはっきり言うてます。

溶着は時間をかけて固まっていくんです。
表面が固まっても内部はまだ完全やない。

そこに即水圧をかけたらどうなるか。
固まりきってない溶着面が圧に負ける。

そして抜けるんです。
すっぽ抜けの正体はたいていこれです。

早く通水したいから養生を待たずに圧をかける。
その焦りが全部やり直しを呼ぶんです。

工期が押してても24時間は待つ。
短時間養生型の専用接着剤なら2時間で通水できるものもあります。

でもそれはその接着剤を使った時だけの話です。
普通のボンドなら24時間。

この待ち時間を守れる人間だけが水漏れという地獄を回避できるんです。
塩ビは簡単やない。

一本一本が化学反応なんです。
本日もご安全に!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

手取り9万整備士から、残業120時間超え現場監督まで走ってきた。
そこで一度心が折れて無職に。
底から再出発!机上の空論は書きません。
本日もご安全に。

コメント

コメントする

目次