同じものの図面なのに。
ある人の図面はすっと読めてある人の図面は何度も止まる。
そんな経験はないでしょうか。
図面は誰が描いても同じにはならないんです。
私はいろいろな設計者の図面を読んできて自分でも描く側です。
何がこの差を生むのかを話します。
見やすい図面と読みにくい図面を分けるのは設計者のやさしさ
先に言い切ります。
見やすい図面と読みにくい図面を分けるのは設計者のやさしさです。
私は技術力だけの差やないと思っています。
読む人が迷わないようにという配慮も図面に出るんです。
同じ寸法を入れるにしても。
どう並べれば読む人が追いやすいか。
そこまで考えているかどうかで変わります。
やさしさというと精神論に聞こえるかもしれません。
でも現場で何百枚と図面を見てきた実感なんです。
なぜ設計者によって図面が違うのか
そもそもなぜ人によって違うのか。
同じ規格に沿って描いているはずなのにです。
理由はシンプルです。
規格を守っていても図面のまとめ方には幅があるからです。
同じものでも書き方は人それぞれ
同じ部品を描くとします。
それでも人によって図面はけっこう違うんです。
同じ製図ルールに沿っていても図面のまとめ方まで全員同じになるわけやありません。
どの図を使ってどう情報を整理するかで読みやすさに差が出ます。
どの面を正面に選ぶか。
どこに寸法をまとめるか。
どこまで注記を入れるか。
選び方に個性が出ます。
投影図の選び方や注記の置き方に癖が出る
癖が出る場所はいろいろあります。
どの投影図を選ぶか。注記をどこにまとめるか。
寸法をどう配置するか。
決められた製図ルールの中でも図面のまとめ方には人それぞれの癖が出ます。
この癖を知らずに読むと同じ図面でも読みにくく感じるんです。
正面図や平面図の配置を決める第三角法の基本はこちらにまとめています

私が経験した注記の置き場所の違いと見落とし対策はこちらで書いています

見やすい図面と読みにくい図面の差
では見やすい図面と読みにくい図面。
その差はどこにあるのか。
一言でいえば読む人への配慮です。
その配慮があるかないかが図面にそのまま出ます。
見やすい図面は読む人が迷わない
私が見やすいと感じる図面には共通点があります。
見やすい図面は読む人が迷わないんです。
必要なことが必要な場所に書いてある。
どこを見ればいいか探さなくても分かるようになっています。
読む側が頭を悩ませずに手を動かせる。
それが見やすい図面なんです。
読みにくい図面は情報が多すぎるか足りない
逆に読みにくい図面もあります。
私が読みにくいと感じる図面は情報が多すぎるか足りないんです。
足りない図面は確認が要ります。
書いていないことを聞かないと進められません。
多すぎる図面もつらいんです。
あれもこれも詰め込まれていて何が大事か分からなくなります。
足りなくてもいけない。
多すぎてもいけない。
ちょうどいいところに配慮があるんです。
私が見やすい図面のために意識していること
私も図面を描く側です。
だから見やすくするために意識していることがあります。
注意すべきところ間違いそうなところは丁寧に
まず大事にしているのがこれです。
注意すべきところ間違いそうなところは丁寧に書く。
ここは間違えられそうやなという場所。
そこには一言添えて読む人が引っかからないようにします。
大事なところほど手を抜かない。
先回りして書いておくことが読む人へのやさしさになるんです。
書きすぎて読む気を失わせない
ただし丁寧と過剰は違います。
書きすぎて読む気を失わせないようにもしています。
あれもこれもと書き込みすぎる。
すると情報が多くなって読む気にならない図面になってしまいます。
必要な情報は読み取れるようにする。
でも一枚に何でも詰め込みすぎない。
この線引きがなかなか難しいんです。
丁寧さと詰め込みは紙一重です。
読む人の立場で一度引いて見るようにしています。
読む側は書き手の癖を掴むと楽になる
ここまで描く側の話をしてきました。
でも読む側にもできることがあります。
書き手の癖を掴むんです。
そうすると読みにくい図面もだいぶ楽になります。
図面を見れば誰の図面か分かる
長く読んでいると面白いことが起きます。
図面を見れば誰の図面か分かるようになるんです。
「あぁこれはあの人の図面やな」。
書き方の癖でぱっと分かるようになります。
誰の図面か分かればその人の癖も思い出せます。
この人はこう描くと分かっていれば身構えて読めるんです。
付き合いが長いと注意して読むところも見えてくる
さらに付き合いが長くなるとこうなります。
付き合いが長いと注意して読むところも見えてくるんです。
この人の図面では私はここを注意して読む。
そういう勘所が経験でつかめてきます。
先にそこを警戒して読めば取り違えを防げます。
癖を掴むというのは読む側の武器になるんです。
まとめ。図面はやさしさが出る。書く側も読む側も歩み寄る
もう一度整理します。
見やすい図面と読みにくい図面を分けるのは設計者のやさしさです。
少なくとも私はたくさんの図面を読んできてそう感じています。
読む人が迷わないように必要なことを書く。
でも詰め込みすぎない。
この配慮が図面に出ます。
描く側は丁寧さと過剰の線引きを意識する。
読む側は書き手の癖を掴んで先回りする。
どちらも歩み寄れば図面はもっと伝わります。
図面は一枚の紙やなくて人と人をつなぐものやからです。
実線や破線など線種の意味と読み違いの怖さはこちらにまとめています

図面には描いた人の性格が出ます。
読む人を思って描かれた図面は読むほうにもちゃんと伝わるんです。

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