その溶接機のダイヤル、数字通りに合わせてますよね。
でもその数字、本当に信じていいと思いますか。
私はその数字を鵜呑みにした若手が技能試験で落ちていくのを何度も見てきました。
今日はその話をさせてください。
結論:送給機のダイヤル数値を信じると、現場で必ず痛い目を見る
先に言い切ります。
ダイヤルの数値を鵜呑みにしたら現場で必ず痛い目を見ます。
合わせるのは数字やない。
音と溶け込みです。
ここがわからんうちはいつまでも試験に受かりません。
ダイヤルの印はあくまで「目安」。元電源や機械が変われば設定は全てズレる
送給機のダイヤルに印を入れてる人をみます。
この厚みならこのあたりって目安の印です。
でも若手には厳しく言う。
その印はあくまで目安やと。
元電源が変わったら機械本体が変わったら。
その数字は途端にアテにならなくなる。
同じ「150」でも機械が変われば別物なんです。
電流=ワイヤーの送り、電圧=溶け込み。この本質を知らないと技能試験には受からない
数字を追う前に本質を掴んでほしい。
電流はワイヤーの送る速さ。
電圧は溶け込みの深さ。
このざっくりした関係が体に入ってないと調整のしようがない。
数字だけ覚えても応用が一切効かんのです。
【実体験】試験に落ちる若手の共通点。「突っ張り」と「カット」の罠
溶接技能者評価試験によく落ちる子には共通点があります。
ワイヤーが突っ張る、溶かしすぎてカット(アンダカット)が入る原因
電流と電圧の関係を根っこでわかってない。
だからワイヤーが突っ張り気味になる。
送りと溶けのバランスが崩れてゴツゴツ当たる感じになるんです。
逆のパターンもある。
溶かしすぎて際がえぐれる。
いわゆるアンダカット、カットが入るってやつです。
この二つが、試験に落ちる子の典型でした。
正解の溶融池(プール)は「垂れず、モリモリにならず」の絶妙なバランス
じゃあ正解はどんな状態か。
言葉にするのは難しいんですけど。
プールが垂れずモリモリにもならない。
過剰に盛り上がらずでも溶け込んでる。
あの絶妙なところに正解があります。
これは数字やなくて目で覚えるしかない世界です。
最適な電気は「音」と「目」で合わせる。言語化できない職人の感覚
だから私は若手に目と耳を使えと言います。
正解の音は「バチバチバチ」。ただしワイヤーやガスで変わる現場のリアル
丁度いい設定の時、音が変わります。
バチバチバチっていう小気味いい連続音。
これが一つの目安です。
ただし。
ここで安心したらあかん。
使うワイヤーやガスの種類でその音も変わるんです。
だから「この音になれば絶対正解」とは言い切れない。
耳で覚えつつ目でも確かめる。
その両方がいるんです。
マニュアルの「〇〇A、〇〇V」という思考を捨て、その日の環境に合わせる
マニュアルに書いてある数値。
あれを金科玉条にしてる限り上には行けません。
その日の材料、その日の機械、その日のガス。
全部ひっくるめてその場で合わせる。
数字を捨てた時に、本物の腕がつくんです。
数値ではなく感覚を磨く。溶接トラブルを未然に防ぐ「現場のカンペ」
感覚を磨くには邪魔者を先に潰しておくことも大事です。
正しい「音と目」の感覚さえ掴めれば、本番の技能試験は確実に突破できます。
その設定、合ってるのに穴が空くなら犯人は風かもしれません。
スパッタ地獄と一緒に先に潰しておきましょう。

半自動が手に馴染んだら次はTIGの壁が待ってます。
薄物でタングステン地獄にハマる前にこっちも覗いといてください。

最後に
溶接の電気合わせは料理の火加減と同じです。
レシピの「中火で5分」を信じて焦がした経験ありますよね。
本物の料理人は鍋の音と湯気で火を決める。
数字やない。五感で合わせるんです。
その耳と目が育った時、あなたの溶接は一段化けます。
本日もご安全に!

コメント