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SUS管が「かじる」絶望。「ぎっ」と鳴ったらもう遅い。焼き付きを防ぐテープと液状シールのダブル使い

スムーズに回ってたネジが急に重くなる。
そして手元にぎっという嫌な感触。

その瞬間もう手遅れなんです。
今日はその話をさせてください。

目次

1. 導入:SUSほど恐ろしいものはない

ステンレス配管は錆びにくくて見た目も綺麗です。
だから重宝されます。

でも現場の人間にとってSUSほど恐ろしいものはないんです。
鉄管と同じ感覚でパイプレンチをかける。

グイグイ締め込む。
すると突然それが訪れます。

かじりです。
焼き付きとも言います。

ネジが完全にロックして二度と動かなくなる。
鉄ではめったに起きません。

でもステンでは平気で起きるんです。
この差を知らんまま鉄の感覚でSUSを締める。

それが一番危ない。
かじりの恐ろしさを知らない人間は必ず痛い目を見るんです。

2. かじりは「熱」やない。「凝着」や

まずかじりの正体を正しく知ってください。
多くの人が摩擦熱で溶けてくっつくと思ってます。

でもそれは半分しか合ってません。
ステンの本当の弱点は表面にあります。

ステンは不動態皮膜という膜で守られてますよね。
この膜が硬くて薄いんです。

締め込むとネジ山同士が擦れ合う。
その時この硬い皮膜が破れるんです。

そして皮膜の下から生の金属が出てくる。
生のステンは活性が高いんです。

むき出しの金属同士が圧力で押し付けられる。
すると分子レベルでくっつく。

凝着です。
溶けてくっつくんやない。

圧力で冷たいまま溶接されたみたいに固まるんです。
もちろん摩擦熱もそれを後押しします。

でも主因はこの凝着なんです。
ここを理解せんと正しい対策が打てません。

3. 「ぎゅっ」「ぎっ」と鳴ったらもう遅い

かじる瞬間は音と感触でわかります。
スムーズに回ってたネジが急に重くなる。

そして工具越しにぎゅっぎっという嫌な感触が伝わる。
あっかじった。

そう気づいて慌てて戻そうとする。
でももう遅いんです。

かじりは戻せません。
緩める方向に回そうとしても動かない。

締める方向にも動かない。
凝着した金属同士が完全に一体化してるんです。

もう一つ厄介なのが戻そうとすると悪化することです。
緩めようと逆に回す。

すると別の面が新しくかじる。
傷口を広げてるだけなんです。

だからぎっと鳴った瞬間に手を止める。
それしかないんです。

でも止めたところで一体化は解けません。
結局詰みなんです。

4. かじったSUS管の悲惨な末路

一度かじったらどうなるか。
無理やり回そうとする人がおります。

パイプレンチに単管パイプを差し込んでテコで延長する。
全体重をかけて回す。

結果どうなるか。
管がひしゃげるだけです。

凝着したネジはそれでも回りません。
先に管そのものが潰れる。

こうなったらもう終わりです。
その継手部分をグラインダーかバンドソーで切り落とす。

そして最初から配管をやり直すしかない。
材料費が飛びます。

ステンは鉄よりずっと高い。
そして時間も飛ぶ。

切ってまた管を用意してネジを切って組み直す。
半日仕事がまるごと消えることもあります。

ぎっという音一つでそれだけのものが吹き飛ぶんです。

5. かじりを防ぐ「かじり防止剤」が本命や

じゃあどう防ぐか。
一番効くのは専用のかじり防止剤です。

締める前にネジ山に塗っておく。
これが何をするか。

生の金属同士が直接触れるのを防ぐんです。
間に潤滑の膜が入る。

だから皮膜が破れても金属が直接凝着せん。
主成分は二硫化モリブデン系。

あるいはニッケル系や銅系です。
これらは高温でも潤滑性を保つ。

だからボルトの世界でもステンには必ずこれを使うんです。
ここで一つ絶対に知っといてほしいことがあります。

グラファイト入りの潤滑剤はステンにはあかんのです。
黒いグリスやからと何でも塗ったら失敗します。

グラファイトは炭素です。
高温でその炭素がクロムと反応する。

するとクロムが奪われて耐食性が落ちるんです。
かじりは防げても後で錆びる。

本末転倒ですよね。
だからステン用と書かれたものを選ぶ。

ここは適当に選んだらあかんのです。
そして配管のねじ込みではシールも兼ねる必要があります。

そこで効くのが液状シールとシールテープのダブル使いです。
液状シールが金属同士の間に入って潤滑の役目もする。

テープが隙間を埋めてシールする。
漏れ止めとかじり防止。

これを一手で狙うんです。
ただし正直に言います。

潤滑目的なら本命はあくまで専用のかじり防止剤です。
シールのダブル使いは漏れを止めつつ摩擦を減らす現場の知恵。

でもかじりが心配な太物や硬い相手なら専用剤を併せて使う。
そこは横着せんことです。

テープの巻き方を間違えていたらダブル使いの意味がありません。
漏れを防ぎかじりも防ぐ正しい巻き方はこっちです。

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6. 結論:SUSは力任せにねじ込むものやない

SUSは力でねじ伏せる相手やないんです。
金属の性質を理解して慎重に締める。

締める前にかじり防止剤を塗る。
そして回しながら指先に神経を通わせる。

スムーズに回ってるうちはまだ大丈夫。
でもわずかに重くなった瞬間がある。

その違和感を見逃さない。
ぎっと鳴ってからではもう遅いんです。

その一歩手前で気づけるかどうか。
鉄なら多少強引でも通ります。

でもステンはその油断を絶対に許さない。
金属の声を聞いて確実にシール材で保護する。

それができる人間だけがSUSを扱えるんです。
力やない。

理解と指先の感覚なんです。
本日もご安全に!

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この記事を書いた人

手取り9万整備士から、残業120時間超え現場監督まで走ってきた。
そこで一度心が折れて無職に。
底から再出発!机上の空論は書きません。
本日もご安全に。

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