とりあえず安いやつでええか。
ねじ切り機をそう選んでませんか。
数十万円する買い物を雰囲気で決めたら現場が止まります。
今日はその話をさせてください。
1. 導入:機械選びを間違えたら現場が止まる
ねじ切り機は配管屋にとって右腕です。
これがないと仕事にならん。
でも選び方を間違えてる人が多すぎるんです。
現場でこういうのを見たことがあります。
改修工事の狭い現場にデカい据え置き型を持ち込む。
そもそも搬入経路に入らん。
やっと入れたと思ったら置く場所がない。
身動きが取れんまま時間だけが過ぎていく。
逆のパターンもあります。
小さいポータブル機で太い管を無理やり切ろうとする。
モーターが唸る。
そして煙を吹く。
どっちも機械が悪いんやないんです。
現場に合ってへんだけなんです。
ねじ切り機が使えん現場はそこで全部止まります。
配管が組めん。
後ろの職人も待つ。
数十万の機械がただの重い鉄の箱になるんです。
2. 日本の現場を支える三大メーカー
ねじ切り機のメーカーを整理します。
日本の現場で名前が挙がるのはこの三つです。
まずレッキス工業。
現場ではREXと呼びますね。
1925年創業の老舗です。
ラインナップが豊富で部品も手に入りやすい。
そして従来のねじ切り機を進化させたねじ転造機まで作ってます。
次にアサダ。
ビーバーシリーズが有名ですね。
根強いファンがおります。
たとえばビーバー80のBE800ならクラス最大の1140Wという高出力モーターを積んでます。
そしてMCC。
松阪鉄工所です。
1916年創業。
シンプルな構成でコスパに優れた機種を多く出してます。
PMNA050なんかは本体にアルミ合金を使ってて小型軽量。
それでいて750Wの出力があります。
チェーザに関して言えばMCCとREXが国内二大メーカーと言われてます。
ここで大事な話をします。
どのメーカーを選ぶにしても会社やチームで揃えてください。
なんでか。
ねじ切り機は本体だけで完結せんのです。
本体があって。
ダイヘッドがあって。
その中にチェーザが入る。
この三つの組み合わせで動いてるんです。
他社機にも使えると謳ってるダイヘッドもあります。
全く互換がないわけやない。
でも組み合わせが複雑すぎるんです。
バラバラのメーカーで揃えたらどうなるか。
チェーザが余ってもあの機械には使えん。
予備のダイヘッドがこの本体に載らん。
現場で刃が折れた時隣の職人から借りられんのです。
ちなみにREXのZシリーズなんかは使用中のダイヘッドをそのままに本体だけ取り替えられます。
同じメーカーで揃えとくとこういう恩恵があるんです。
3. 圧倒的パワーの「据え置き型(パイプマシン)」
じゃあ本題です。
据え置き型からいきます。
新築現場。
加工場。
配管を大量に組む場所です。
ここは迷わず据え置き型です。
なんでか。
安定感が桁違いやからです。
重たい本体がしっかり地面に踏ん張ってくれる。
だから太い管を咥えてもブレません。
ブレないということは何を意味するか。
美しいテーパーが切れるということです。
機械が揺れたらその揺れがそのままネジ山に出ます。
径がズレる。
山が荒れる。
据え置き型はその心配がないんです。
そして能力の幅も広い。
REXなら80Aまで切れる機種があります。
3段変速で効率よく切れる。
ただしデメリットもはっきりしてます。
重いんです。
実際の数字を見てください。
40Aまでの機種で質量32.5kg。
80Aまでの機種になると63kgです。
63kgですよ。
これをエレベーターのない現場で上の階に上げる。
想像してください。
階段を大人二人がかりで担ぎ上げる。
そして作業が終わったらまた降ろす。
腰をやります。
落としたら大事故です。
搬入経路を考えずに買ったらその重さが毎日のしかかってくるんです。
機械のパワーがあっても油をケチったら一発で刃が割れます。ネジ山をむしり取らないための切削油の話はこっちです。
を全滅させる現場のリアル-200x300.jpg)
4. 狭い現場の救世主「手持ち・ポータブル型」
一方でこういう現場があります。
改修工事。
天井裏。
パイプシャフトの中。
据え置き型がそもそも入らん場所です。
ここで活躍するのがポータブル機です。
軽いんです。
25Aまでの機種なら質量19kg。
寸法も400×317×320mmくらい。
これなら一人で運べます。
狭い場所にも持ち込める。
機動力は最高です。
でも当然パワーは劣ります。
小型機なら350W前後。
据え置きの600Wやビーバー80の1140Wと比べたら差は歴然です。
そして能力の限界もある。
25Aまでの機種ならそれ以上は切れません。
ここで無理をしたらどうなるか。
太い管を能力を超えて切ろうとする。
機械が唸って暴れ始めます。
軽い機械やから押さえが効かんのです。
その暴れる機械を体で押さえ込もうとする。
そこで怪我をするんです。
だからポータブル機を使う時は必ず固定してください。
バイスでしっかり管を咥える。
機械が動かんように押さえる。
軽さはそのまま不安定さでもあるんです。
ポータブル機で切る時もダイヘッドのメモリと「テーパー」の概念は絶対に忘れたらあかんです。基本の極意はこれに書きました。
を割る三流のやらかし-200x300.jpg)
5. 結論:大は小を兼ねへん
最後に一番大事な話をします。
デカい機械を買っとけばなんでも切れるやろ。
そう思ってませんか。
違います。
大は小を兼ねへんのです。
実例を出します。
レッキスの150A機。
太い管が切れる立派な機械です。
でもこの機械のねじ切り能力は65Aから150Aなんです。
つまり65A未満が切れません。
25Aの管を持ってきても切れんのです。
だから細い管もやるなら50A機種を別で導入せなあかん。
デカけりゃええという話やないんです。
じゃあどう選ぶか。
問いは三つです。
- 一つ目。自分の現場のメインの管サイズはいくつか。
たまに出てくる太物やなくて毎日一番多く切るサイズです。
そこに機械を合わせる。 - 二つ目。搬入環境はどうなってるか。
エレベーターはあるか。毎日担いで上がるのか。置きっぱなしにできるのか。
63kgを毎日運ぶ現場やったらそれは選択肢に入りません。 - 三つ目。メーカーは何で揃えるか。
会社の在庫。チームの機械。そこに合わせる。
ねじ切り機は数十万円する投資です。
とりあえずで買えるもんやないんです。
そして一回買ったら何年も付き合う。
その何年間を毎日ラクにするか毎日しんどくするか。
それを決めるのが今の選択なんです。
自分の現場を一番わかってるのはあなたです。
その目で選び抜いてください。
本日もご安全に!

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