溶接した物にアンダーカットが見つかった。
それを理由に受け取ってもらえなかったことがあります。
見た目のちょっとしたえぐれ。
それだけでモノが納まらんのです。
溶接欠陥は覚えたての頃ほど出ます。
私も見習いの頃はさんざん出しました。
溶接欠陥とは?溶接部にできる不具合のこと
溶接欠陥とは何か。
溶接欠陥は溶接部に生じる割れやブローホールやアンダーカットなどの不具合です。
穴が残ったり止端がえぐれたり割れが入ったり。
形はいろいろですが溶接部に出る不具合はまとめて溶接欠陥と呼ばれます。
やっかいなのは出てから気づくことです。
だから原因を知って先に手を打つのが大事なんです。
欠陥にはそれぞれ原因があります。
溶接条件や施工状態を整えることで発生を減らせるものがあります。
私が見習いの頃に特に意識したのは電流や運棒や風でした。
このあたりを押さえるだけで出方はかなり変わりました。
溶接欠陥は何が原因で起きるのか
欠陥の原因は一つではありません。
種類ごとに理由が違います。
私が現場で気をつけていた例を挙げます。
電流が合っていない。
運棒が乱れている。
風でシールドが乱れる。
母材の下処理が甘い。
こういう条件が重なると欠陥が出やすくなりました。
欠陥の種類によっては溶接速度や開先形状や材質など別の条件も関わります。
欠陥があると現場で何が起きるのか
欠陥は見た目だけの問題やないです。
その先に手直しが待っています。
欠陥が基準を外れれば補修や再施工が必要になることがあります。
時間も材料も余計にかかる。
もっとまずいのは受け取ってもらえないことです。
私はアンダーカットを理由に納品を拒否されたことがあります。
欠陥はモノが納まるかどうかに直結するんです。
溶接欠陥の種類とは?代表的な欠陥を知る
溶接欠陥にはいくつか代表的な種類があります。
名前と出方をざっと押さえておきましょう。
| 欠陥の種類 | ざっくりした特徴 |
|---|---|
| ブローホール・ピット | 溶接金属中に気孔が生じる |
| アンダーカット | 止端が母材側にえぐれる |
| オーバーラップ | 溶けた金属が母材に乗るだけで溶け合わない |
| 融合不良 | 母材や前のビードとの境界が溶け合わない |
| 割れ | 溶接部や熱影響部に割れが入る |
表で見ると別ものに見えます。
ですが名前と見え方を知っておくだけで図面や指摘が読めるようになります。
ブローホール・ピットとはどんな欠陥か
ブローホールは溶接金属中にできる気孔です。
ガスが抜けきらず穴として残るイメージです。
表面に開口したものはピットとして扱われます。
原因にはシールド不良や母材表面の状態などいくつかあります。
私が現場で特に気をつけていたのが風でした。
私が出した欠陥もこのブローが多かったです。
詳しい防ぎ方は別の記事にまとめています。
風で穴だらけになるブローホールの詳しい防ぎ方はこの記事にまとめています

アンダーカットとはどんな欠陥か
アンダーカットは溶接ビードの止端部が母材側に溝状にえぐれる欠陥です。
ビードの際が削れてしまう状態です。
私が多く出した欠陥はアンダーカットとブローでした。
私の場合は電流が高すぎたり運棒が乱れたりすると出やすかったです。
一般には溶接電流や溶接速度など施工条件も発生に関わります。
見た目は小さなえぐれです。
それでも適用される検査基準を満たさなければ受け入れられないことがあります。
だから軽く見たらあかん欠陥なんです。
オーバーラップ・融合不良・割れとは何か
オーバーラップは溶けた金属が母材に乗るだけで溶け合わない状態です。
くっついているように見えて実は一体になっていません。
融合不良は融合すべき母材や前のビードとの境界が十分に溶け合っていない状態です。
これは溶込み不良とは別の欠陥として扱われます。
割れは溶接部や熱影響部に割れが入る欠陥です。
割れには種類があり低温割れでは拡散性水素などが関わります。
割れを防ぐ低水素系の溶接棒についてはこの記事でまとめています

溶接欠陥はどうやって防ぐ?現場でやっていた対策
欠陥は出てから直すより出さない方が早いです。
私が現場で気をつけていたことを挙げます。
私が見習いの頃に特に気をつけていたのは電流の調整と風対策でした。
この二つを外すと欠陥がぐっと増えました。
電流の調整で欠陥はどう変わるのか
電流は欠陥の発生に関わる条件の一つです。
高すぎても低すぎても出方が変わります。
高すぎるとアンダーカットが出やすくなります。
低すぎるなど熱が十分に与えられない条件では、溶込み不良や融合不良につながることがあります。
ただし適正な電流は一つに決まりません。
母材、板厚、溶接棒によって変わります。
具体的な数値は溶接棒メーカーの推奨条件や施工要領で決まります。
自分の思い込みで決めずに条件を確認してください。
風はなぜ欠陥の原因になるのか
ガスシールドアーク溶接では風によるシールドの乱れが、ブローホールの原因になることがあります。
溶接部を守るシールドが風で乱れるからです。
シールドが不十分になると大気の影響を受けます。
それが溶接金属中に気孔が生じる原因になります。
屋外や風の通る場所ではとくに気をつけていました。
風よけをするだけで出方が変わったのを覚えています。
予熱(あぶる)はどんなときに要るのか
材質や板厚や拘束条件によっては予熱が必要になる場合があります。
低温割れなどを防ぐためです。
私も溶接の前に母材をあぶったことがあります。
これは私が現場で呼んでいた言い方で実際は指定された予熱条件に従います。
予熱が要るかどうかは思いつきで決めるものやないです。
予熱の要否や温度は材質や板厚や施工条件を踏まえて、適用する基準や施工要領などで確認します。
溶接欠陥で痛い目を見ないために
欠陥は技術の話であると同時に信用の話でもあります。
私はそれを納品の場で思い知りました。
アンダーカットで納品拒否された話
アンダーカットを理由に受け取ってもらえなかったことがあります。
自分では気にならん程度のえぐれでした。
それでもその仕事の受入基準には通りませんでした。
その場でやり直しになりました。
このとき分かったのは欠陥は自分の感覚で許すものやないということです。
許容できるかどうかは規格や施工要領や検査で決まります。
最後の判断は自分やなく決められた基準にあるんです。
溶接では欠陥とは別に歪みにも注意する
溶接の困りごとは欠陥だけやないです。
熱で母材が変形する歪みも大きな問題です。
穴やえぐれがなくても寸法が狂えば物は納まりません。
溶接欠陥とは分けて考えますが熱による変形も製作では大きな問題になります。
歪みという不具合を段取りで抑える方法はこの記事で解説しています

まとめ
溶接欠陥の話をまとめます。
溶接欠陥は溶接部に生じる不具合です。
ブローホール、アンダーカット、オーバーラップ、融合不良、割れなどがあります。
欠陥にはそれぞれ原因があります。
溶接条件や施工状態を整えて発生を抑えることが大切です。
出してから直すより出さない段取りの方がずっと早いです。
基準を外れれば補修や再施工になり受け入れてもらえないこともあります。
各欠陥の詳しい防ぎ方は個別の記事にまとめています。
気になる欠陥から順にのぞいてみてください。
欠陥は手直しできる場合があります。
でも一度失った信用まで簡単に元へ戻せるとは限りません。
そこだけは覚えておいてほしいです。
本日もご安全に!

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