図面に見慣れない記号が四角い枠に入っている。
その横にアルファベットが付いている。
これが幾何公差です。
寸法公差までは分かっても幾何公差で手が止まる人は多いんです。
私は図面を読み加工屋に出す側の立場です。
幾何公差の入口だけを整理して話します。
幾何公差は寸法だけでは表せない形の精度を指示するもの
先に言い切ります。
幾何公差は寸法だけでは表せない形の精度を指示するものです。
寸法公差はある寸法がどこまで許されるかを示します。
でもそれだけでは表せない精度があるんです。
たとえば面の反りや傾き。
まっすぐさや直角の精度は寸法の数字だけでは伝えきれないんです。
そこを補うのが幾何公差です。
形そのものの精度を指示するための仕組みなんです。
寸法公差と幾何公差の違い
まずは寸法公差との違いからいきます。
ここが分かると幾何公差の役割が見えてきます。
寸法公差は寸法の許容範囲
寸法公差はおさらいすると寸法の幅です。
寸法公差は寸法の許容範囲を示します。
100±0.1ならその寸法が99.9から100.1まで。
決められた二点間の寸法がどこまで許されるかの指示です。
これは長さや径といった寸法の話です。
寸法がその幅に入っていれば寸法公差は満たしています。
±0.1がどこまで許されるかはこの記事にまとめています

幾何公差は形や姿勢や位置の許容範囲
対して幾何公差は別の精度を扱います。
幾何公差は形や姿勢や位置の許容範囲です。
面がどれだけ平らか。
基準に対してどれだけ平行か。どれだけ直角か。そういう精度を示します。
寸法が合っていても面が反っていたら困る部品があります。
寸法だけでは縛れないその形の崩れを抑えるのが幾何公差なんです。
だから寸法公差と幾何公差は役割が違います。
寸法の幅と形の精度。両方そろって初めて狙った部品になるんです。
データムという基準
幾何公差を読むうえで避けて通れない言葉があります。
それがデータムです。
データムは幾何公差の基準
データムは幾何公差の基準になる面や線です。
どこを基準にその精度を見るかを示すものなんです。
たとえば直角度。
何に対して直角なのかという基準がないと測れません。
その基準になるのがデータムです。
幾何公差の記入枠の中に基準を示す記号として一緒に書かれます。
基準がないと成り立たない公差がある
ここが大事なところです。
基準がないと成り立たない幾何公差があるんです。
平行度や直角度は相手があって初めて言えます。
何に対して平行なのか直角なのか。その相手がデータムなんです。
一方で面のまっすぐさのようにそれ自体で言える精度もあります。
だから幾何公差にはデータムが要るものと要らないものがあるんです。
寸法をどの面を基準に追うかの考え方はこの記事にまとめています

幾何公差は難しい。まず存在を知っておく
正直に言っておきます。
幾何公差は寸法公差より難易度が高いんです。
細かい種類は無理に覚えなくていい
幾何公差にはたくさんの種類があります。
平行度に直角度に位置度に真円度。記号もいろいろあります。
でも最初から全部覚える必要はありません。
まずはこういう指示があると知っておくだけでいいんです。
四角い枠に記号と基準が入っている。
これは形の精度を指示しているんやなと分かる。
それが第一歩です。
判断に迷ったら設計に確認する
そして分からないときの構えも大事です。
幾何公差は難しいので迷ったら自分で決めないことです。
この指示はどういう意味なのか。
読み取れないときは推測で進めず設計に確認します。
私も発注する側として幾何公差が指示された図面を扱うことがあります。
細かい設計まではしませんが分からない指示は必ず確認するようにしています。
図面通りに現場が納まらない理不尽はこの記事にまとめています

まとめ。幾何公差は形の精度。データムという基準で見る
もう一度整理します。
幾何公差は寸法だけでは表せない形の精度を指示するものです。
寸法公差は寸法の許容範囲。
幾何公差は形や姿勢や位置の許容範囲です。
そして幾何公差にはデータムという基準があります。
平行度や直角度は基準がないと成り立たないからです。
細かい種類は無理に覚えなくていい。
まずはこういう指示があると知って迷ったら設計に確認するんです。
±0.1の読み方や普通公差の考え方はこの記事にまとめています

幾何公差は最初は難しく感じます。
でも寸法だけでは足りない精度を伝える大事な指示だと知っておくんです。

コメント