図面を渡されて1/10とか1/20と書いてある。
この数字が何を意味するのか分からないまま作業に入る。
若い頃の私も最初はそうでした。
そのうえで一つだけ先に釘を刺しておきたいことがあります。
図面はスケールを当てて測る紙やないんです。
まずここを取り違えないための話をしていきます。
尺度は実物と図面の長さの比。でも図面はスケールで測るものやない
先に結論を言います。
尺度は実物と図面の長さの比です。
1/10なら実物の10分の1の大きさで描いてあるという意味。
図面上の長さと実物の長さがどういう割合かを示したものなんです。
ただし意味が分かったうえで絶対に守ってほしいことがあります。
図面はスケールで測るものやない。
尺度が分かっていても物差しを当てて長さを出してはいけません。
寸法は必ず図面に書かれた数値を読む。これが現場の大前提です。
私は製缶上がりで図面を長く読んできました。
だからこそこの一点は最初に伝えておきたいんです。

図面の尺度とは何か
尺度は図面上の長さと実物の長さの比を表したものです。
JISでは図面上の長さと対象物の実際の長さの比で示すとされています。
尺度は大きく三つに分かれます。
現尺、縮尺、倍尺です。
現尺は実物と同じ大きさで描くことで1:1と表します。
縮尺は実物より小さく描くことで1:2や1:10のように表します。
倍尺は逆に実物より大きく描くことで2:1や5:1のように表します。
小さな部品を分かりやすく見せたいときに使われる描き方です。
1/10は実物の10分の1で描いてあるという意味になります。
大きな装置や組立の全体を一枚に収めたいときは縮尺で小さく描くわけです。
尺度はどれでも自由に使えるわけやありません。
JISに推奨される尺度の系列が決められていて読み手が迷わないようにしてあります。
一つ補足しておきます。
現在のJISでは尺度は1:10のように比で表します。
ただ私がこれまで見てきた古い図面では1/10のように書かれたものもありました。
どちらの書き方でも意味は同じなので古い図面では、こういう表記を見ることもあると覚えておくといいです。
尺度だけでなく図面そのものの役割で迷っているなら製作図・施工図・加工図の違いから先に整理すると分かりやすいです。

1/10・1/20の意味と読み方
1/10と1/20は同じ物を描いても図面上の大きさが変わります。
1/20のほうがより小さく描かれるということです。
1/10は実物の10分の1。
1/20は実物の20分の1。
数字が大きいほど図面上では小さくなります。
同じ装置でも1/10で描くか1/20で描くかで紙の上の見え方が変わるんです。
細かい部分まで見せたいなら大きめの尺度。
全体を一枚に収めたいなら小さめの尺度になります。
ではどの尺度を選ぶのか。
これは正直に言うと設計の考えによる部分が大きいです。
対象物の複雑さと何を一番伝えたいのか。どの紙のサイズに収めるのか。
そのあたりを踏まえて設計者が選ぶものなので私が使い分けを断言できるものやありません。
読む側としては選ばれた尺度の意味を正しく理解しておく。
そこができていれば尺度で困ることはほとんどありません。
尺度の意味が分かったら実際にCADを触ってみると図面はもっと分かりやすくなります。無料のJw_cadをDIYや寸法出しに使っている話はこちらにまとめています。
【要スラッグ確認】無料CAD Jw_cadの記事
図面はスケールで測るな。寸法は数値を読む
ここが今日いちばん伝えたいところです。
寸法は必ず書かれた数値を読む。
図面に物差しやスケールを当てて長さを出してはいけません。
尺度どおりに描かれていない部分がある場合もあるので、寸法数値が記入されている場所はその数値を確認します。
理由はこうです。
印刷や複写によって元の尺度どおりとは限らないうえ、図形そのものが尺度に比例していない部分もあるからです。
数値が書いてあるのに測って出そうとするのは遠回りでしかありません。
書かれた数字を読む。それがいちばん速くて正確なんです。
CADの縮尺が違って寸法が食い違った話
今はノートPCでCADを使って画面上で寸法を測るのが普通になりました。
私もCAD上で長さを測ることがあります。
ただここで一度痛い目を見ています。
CADの縮尺が違って寸法が食い違ったことがあるんです。
そのときはCAD上で測った値と図面に記入された寸法が食い違っていました。
原因が尺度設定だったのか図形自体が寸法どおりに描かれていなかったのか。
そこまで私は断定できません。
ただこの経験があるので私は測った長さを鵜呑みにしません。
測った長さを信じてはいけないと体で覚えました。
CADなら画面上で測れば絶対に正しいというわけでもないんです。
紙でもCADでも結局は同じで測った値やなくて記入された数値を読む。
これに尽きます。
ちなみに20年ほど前はスケールで測るような設計者もいました。
今そのやり方を勧めるつもりはありませんが当時はそういう時代のあるあるだったんです。
まとめ。尺度は理解して、寸法は数値で読む
尺度の意味は分かっておいてください。
実物と図面上の長さの比。それが尺度です。
現尺、縮尺、倍尺という区分があって1/10なら実物の10分の1。
そこを押さえておけば図面の1/10や1/20で戸惑うことはなくなります。
そのうえで長さは測らず数値を読む。
尺度は理解するもので寸法を測り出すための道具やないんです。
図面通りに寸法が合わない現場の理不尽はこの記事にまとめています

尺度が読めて数値を信じられるようになれば図面はぐっと扱いやすくなります。
測るより読む。この癖がついた人から現場で強くなっていきます。

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