「時代が変わるから、仕事の手を止めさせてくれ」
もし当時の私がそんな泣き言を漏らしていたら、現場の親方から即座にヘルメット越しに拳が飛んできていたでしょう。
ハイリスクな納期に挑んだ結果の疲弊を、他人に尻拭いさせる。
そんな甘えは建設業界では通用しません。
1989年1月、日本は昭和天皇の崩御という歴史的転換点を迎え、未曾有の「自粛ムード」に包まれました。
しかし、月残業120時間の現場詰所では、新元号の祝祭感など微塵もありませんでした。
今回は、この改元が現場に突きつけた「非効率の極み」と、今なお通ずる自己責任の原則をハックします。
昭和天皇崩御と「改元事務」という名の手抜き工事
1月7日、昭和天皇が崩御され、翌8日から元号が「平成」へと改められました。
小渕官房長官が掲げたあの二文字は、日本中を自粛と困惑の渦に叩き込みましたが、現場監督にとっては「地獄の修正作業」の合図でしかありませんでした。
「昭和」の二文字を抹消する徹夜作業
当時、図面も日報もすべては手書きの時代です。
上からは「全ての書類の昭和を消して平成に書き直せ。ゴム印を買いに走れ」と特攻命令が下りました。
今ならAIに「ドキュメント内の全日付を新元号に一括置換しろ」と命じれば0.1秒で終わる作業です。
それを数千枚の紙に対して人力で行わせる。
この「手作業への固執」という名の欠陥構造こそが、当時の日本を支えていた歪な根性論の正体でした。
官公庁の「週休2日制」導入と現場の乖離
1月からは官公庁や金融機関で第2・第4土曜日を休みとする「完全週休2日制」への移行が本格化しました。
世間が「ゆとり」を謳歌し始めた裏で、建設現場のパトロールはむしろ厳格化していきました。
役所が休んでも工期は1秒も伸びない
「役所が休みなら、こちらに問い合わせるな」
という論理がまかり通る一方で、竣工期限は絶対でした。
むしろ「役所が休みで連絡が取れない分、現場の判断で進めておけ」という無茶振りが横行する始末。
ワークライフバランスという安全帯もつけずに高所作業を強いるような環境のツケを、若手だった私の睡眠時間がすべて支払わされていました。
自分の都合のいい時だけ制度の恩恵を受け、不都合な時は現場に丸投げする。
これはビジネスの本質から最も遠い、無責任な「手抜き工事」と同じです。
消費税導入(4月)に向けた「駆け込み需要」の是正勧告
この時期、4月に控えた「消費税3%」の導入を前に、住宅展示場や家電量販店では異常なほどの駆け込み需要が発生していました。
納期という名のデスマーチ
現場では「3月までに何としても引き渡せ」という指示が、是正の余地もない決定事項として下されました。
税率が変わる前の利益確保という「大人の事情」のために、現場の職人たちは疲弊しきっていました。
しかし、無理な工期設定は必ずどこかで綻びを生みます。
今のAIによる精密な工程管理とリスクヘッジがあれば、あのような「気合と根性」による無理心中は防げたはずです。
政府がやるべきは、現場を疲弊させる需要の喚起ではなく、持続可能なシステム(消費者保護と労働環境の正和)を構築することだったはずです。
読んでみてどう感じただろうか。
昭和から平成へ。
時代が変わっても、現場の泥臭い現実はすぐには変わりませんでした。
しかし、その痛みを知っているからこそ、私は今、AIという最強のツールを手にして人生を再構築しています。
現在進行形でAIを使い倒し、過去の自分を救い出す。
そんな「エクサー」としての活動も、引き続き見届けてほしい。
未来は、他人の尻拭いを待つのではなく、自らの手でハックするものだ。🔥

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