「適応障害は甘え」という言葉に殺されかけた元社長の話。怠けと病気の決定的な違いは「楽しむこと」ができるかだけ

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「仕事に行けないなんて、ただの甘えだ」 「みんな辛いのに、自分だけ逃げるなんてクズだ」

今、スマホの画面を見ながら、そんな言葉を自分自身に投げつけていませんか? Googleの検索窓に「適応障害 甘え」「適応障害 逃げ」と打ち込み、自分を責める材料ばかり探していませんか?

その気持ち、痛いほどわかります。 なぜなら、かつて建設会社の社長をしていた私も、まったく同じことをしていたからです。

月120時間の残業、プレッシャー、人間関係。 「俺は社長だ。これくらいでへこたれるわけにはいかない」 そうやって気合で耐え続けた結果、ある朝、布団から一歩も動けなくなりました。

診断名は適応障害。 それでも私は、「こんなのは甘えだ! 起きろ!」と動かない体を殴り続けました。 その結果、どうなったか。回復まで1年以上かかるほどの深いダメージを負いました。

今回は、自分を「クズ」だと思い込んでいるあなたへ。 地獄を見た元社長が、「甘え(サボり)」と「適応障害(故障)」の決定的な違いについてお話しします。 これを読めば、もう自分を責める必要がないことがわかるはずです。

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「甘え」だと思って無理をした結果、私は完全に壊れた

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「適応障害なんて、最近の若い奴が使う言い訳だろ?」 正直に告白すると、自分がなるまではそう思っていました。

私は高卒で、現場叩き上げの人間です。 「熱があっても現場に出ろ」「文句を言う前に手を動かせ」という昭和の根性論で育ってきました。 だから、自分が不調になった時も、脳内の裁判官がこう判決を下すのです。

「お前は病気じゃない。ただのサボりだ。甘えるな」

動悸がしても、涙が止まらなくても、その声を信じて無理やり出社しました。 エナジードリンクで脳を麻痺させ、笑顔を作り、社長業を続けました。

その結果は、悲惨なものでした。 ある日、プツンと何かが切れる音がして、思考が停止しました。 文字が読めない、電話に出るのが怖い、トイレに行く気力すらない。 それは「甘え」という精神論でどうにかなるレベルを超えた、明らかな「機能停止(システムダウン)」でした。

もしあの時、「これは甘えじゃない、故障だ」と認めて休んでいれば、あそこまで重症化することはなかったでしょう。 「甘え」という言葉は、時に人を殺す凶器になります。

「怠け(サボり)」と「適応障害」を見分けるたった一つの質問

では、どうやって「単なる怠け」と「病気」を見分ければいいのでしょうか。 精神科医ではない私ですが、実体験から確信している「決定的な違い」があります。

それは、「好きなことを心から楽しめるかどうか」です。

「怠け(サボり)」の場合

会社に行きたくないからズル休みをする。 でも、その休んだ時間に、 「よし、ディズニーランド行こう!」 「溜まってたゲームを全クリしよう!」 「友達と飲みに行こう!」 と、全力で遊びを楽しめるなら、それは正直「甘え(サボり)」かもしれません。 嫌なことから逃げたいだけで、エネルギーは余っているからです。

「適応障害」の場合

会社に行けなくて休んだ。 じゃあ、その時間に好きなゲームや趣味ができるか? 答えは「NO」です。

  • 大好きだったゲームをしても、何も感じない。
  • テレビを見ても、内容が入ってこない。
  • 美味しいものを食べても、砂を噛んでいるみたい。
  • ただ天井を見つめて、罪悪感で押しつぶされそうになっている。

これが、適応障害です。 「嫌なこと」だけでなく、「好きなこと」までするエネルギーが枯渇している状態。 これは性格の問題ではなく、脳のエネルギー切れ(ガス欠)です。

もしあなたが今、後者の状態なら、誰に何と言われようと、それは絶対に甘えではありません。 車で言えば、ガソリンが入っていないのに「走れ!」とアクセルを踏んでいる状態です。走れるわけがありません。

「逃げ」ではなく「戦略的撤退」である

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「でも、ここで休職したり退職したりするのは、嫌なことから逃げることになりませんか?」

そう思う真面目なあなたに言いたい。 火事になっている家から脱出することを、「逃げ」や「甘え」と呼びますか?

適応障害は、その環境(職場や人間関係)と、あなたの性質がミスマッチを起こしている状態です。 いわば、あなたの周りで火事が起きているのと同じです。 そこに留まって火傷を負い続けることが「強さ」ですか? いいえ、それはただの「無駄死に」です。

さっさとその場から離れ、安全な場所で傷を癒やす。 これは「逃げ」ではなく、生き残るための「戦略的撤退」であり、「環境調整」という立派な治療法です。

私は社長を辞めました。無職になりました。 周りからは「逃げた」と思われたかもしれません。 でも、そのおかげで今、こうしてブログを書き、AIを使いこなし、統括マネージャーとして復活できました。 あの時逃げていなかったら、今の私は存在していません。

自分を「クズ」と呼ぶのは、もう終わりにしよう

適応障害になる人は、決してクズではありません。 むしろ、「クズになりきれなかった、優しすぎる人たち」です。

サボるのが上手い人や、他人のせいにできる人は、適応障害にはなりません。 「自分が我慢すればいい」「もっと頑張らなきゃ」と、全部一人で背負い込んだ結果、パンクしてしまった。 その責任感の強さは、本来なら素晴らしい長所です。

ただ、今はその使い道を間違えているだけです。 その責任感を、会社のためではなく、「自分の体を守ること」に使ってください。

「休むのも仕事のうち」という言葉がありますが、今のあなたにとっては「休むことだけが唯一の仕事」です。

まとめ:あなたは、故障した高級車だ

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あなたは今、故障して動かない高級車のようなものです。 「動かないなんてポンコツだ、スクラップだ」と自分を責めないでください。 高級車だからこそ、繊細なメンテナンスが必要なんです。

修理工場(休養)に入れて、ガソリン(エネルギー)を入れれば、また必ず走れます。 しかも、一度故障した車は、どこが壊れやすいかを知っている分、前よりも賢く、長く走れるようになります。 私がそうであったように。

だから、今日はもう、「甘え」とか「クズ」とか検索するのはやめましょう。 あなたは甘えていない。十分すぎるほど戦った。 今はただ、エンジンを切って眠ってください。

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