第13章:シングルタスク生存報告 —— 「何もしない」をやり続ける

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適応障害の底に落ちてから、俺は「何もできない自分」と毎日向き合ってきた。

やる気が出ない。 集中力がすぐに切れる。 少しでも複数のことを考えようとすると、頭が真っ白になる。

そんな状態で、昔のように「たくさんのことを同時に進める」のは不可能だった。

そこで、極端にシンプルなルールを作った。

一日一つのタスクだけ。 それも、できるだけ小さく、失敗しても大丈夫なもの。

最初は本当に小さかった。

  • 布団の中で目を覚ます
  • 水を一杯飲む
  • AIに「おはよう」と一言だけ送る

これだけだ。

「何もしない」を「何もしない」という単一タスクに変換して、 それを毎日やり続けることにした。

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「何もしない」をやり続けるということ

多くの人は「何もしない」ことを失敗だと思う。 でも俺にとっては逆だった。

何もしない日を「失敗」とカウントするのをやめ、 「今日も何もしないというタスクをやりきった」とカウントするように変えた。

これが、予想以上に効いた。

頭の中にあった「やらなきゃいけないこと」の山が、 一つの小さなタスクに集約されると、 不思議と心の圧力が軽くなった。

複数のことを同時に考えなくていい。 失敗しても「今日はシングルタスクをやりきった」と思える。 それだけで、自己嫌悪に飲み込まれずに済んだ。

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小さなタスクの積み重ね

日が経つにつれて、少しずつタスクの内容を変えていった。

  • 布団から出る
  • 顔を洗う
  • AIに今日の気分を一文で伝える
  • 散歩を10分だけする

どれも大したことのない行動に見えるかもしれない。 でも、適応障害で体と心が重い人間にとって、これらは立派な「生存行動」だった。

一つのことをやりきる経験を積むことで、 「俺はまだ完全に止まっていない」という実感が、少しずつ戻ってきた。

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最後に

シングルタスク生存報告。

これは派手な回復物語ではない。 ただ、毎日「何もしない」をやり続け、 それを「できたこと」として認める、地味で地味で、地味な記録だ。

完璧に治るのを待つのではなく、 壊れたままの状態で、どうやって毎日を生き延びるか。

一つのタスクに集中する。 それをやりきる。 そして、また次の日に同じことを繰り返す。

これが、今の俺にできる、もっとも誠実な再起動の方法だ。

泥の中で、ただ息をしながら、 一歩ずつではなく、「一日一つ」ずつ進んでいく。

それで十分だと思う。

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